ネトウヨにとって在特会が良くて日本第一党が良くない理由。

 昨日の続きです。

 在特会のころは、殆ど思うが儘といった感じで桜井誠氏のもとに人と金が集まってきて、桜井氏は区役所の臨時職員を辞めて、在特活動一本で生計が立てられるようになり、二匹目のどじょうを狙う極右の任意団体が多数設立されました。

 人が成功するかどうかは、才能や努力は1%で、99%は時の運だと私は思っています。いくら才能のある人間が努力をしても、時の運に乗らなければ絶対に成功はしません。

 ネットのなかでヘイトスピーチを喚きたてていたネトウヨが、現実社会でそれをやってみたいという願望を持ち始めたときに桜井氏は在特会を旗揚げしました。会費がなくてホームページのワンクリックで入会というシステムもネトウヨには使い易く、街頭で大暴れをして、拡声器でヘイトスピーチを喚き散らして、終わったら居酒屋で飲んで勝利感に酔うという、活動のスタイルも安上がりのストレス解消法としてネトウヨにはウケました。

 さらに右翼に甘い警察が在特会の行為を見逃していたことによって、在特会の看板のもとであれば街頭でなにをやっても逮捕されないとネトウヨは理解するようになり、その人気は沸騰状態になりました。

 時の運に乗った桜井氏は、たちまち有名人になり、ネトウヨ業界で天下を取るような立場になりました。それまでにあった、主権の会や新風などは吹っ飛んでしまいます。

 街頭活動が盛り上がる一方で、何度か在特会がやった署名は散々で、15000人の会員がいるのに1200筆しか集まらないといった状態がありました。これはネトウヨが何を好み何を嫌っているのかを示す重要な鍵だったのですが、桜井氏はそこに気が付かないまま日本第一党を立ち上げました。

 ネトウヨ新党のはずの日本第一党は、人も金も思うように集まらず、衆議院選挙に候補者を立てることもできない状態になっています。

 署名集めは他人に頼んで回る行為です、ネトウヨはそういうことは嫌なのです。政党になれば、自分たちの政策を有権者に説明して、支持を頼んで回る行為の繰り返しになります。選んでもらう立場ですから、街頭で暴れることもマイノリティへの嫌がらせを繰り返すことも、違法行為になりそうなことは制限されてきます。支持を頼んで回るという行為はストレスのたまることです。

 ネトウヨは、無料でストレス解消になるバカ騒ぎができるから在特会に入っていたのであり、党費を払ってストレスがたまる政党活動なんかやりたくないのです。政治に対しては、日本人である俺様の命令に従えと、上から命令していたいのです。

 現状では、在特会から日本第一党へ移ったのは限定的な桜井氏の信者だけであり、党員数的にも資金的にも政党として機能しているとは言い難い状態です。時の運によって浮き上がっていた桜井氏は、ネトウヨがなにを望んでいるかを読み違えて失敗したのであり、その点では排除を言って失敗した小池氏と似ています。