側近「激ヤセ写真」に見る金正恩式「再教育」の恐怖
【画像】金正恩氏の側近「激ヤセ写真」
しかし、馬氏は昨年11月以降、公式の場から一切姿を消す。そしてこれと同時期、金正恩氏に異議を唱えたとして15人の当局者が大口径の高射銃で処刑された場面が、衛星画像によって確認されている。
【参考記事】北朝鮮の公開処刑、衛星写真で確認…アジアプレス報道と時期・場所が符合
![金正恩氏の右隣が馬元春氏。](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fdailynk.jp%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2015%2F12%2F6fc76e8ac7cfd0603812c0d44d4a22f9-500x199.jpg)
動静が途絶えたからといって、必ずしも粛清、もしくは処刑というわけではない。しかし、叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏でさえも無慈悲に粛清、そして処刑する金正恩氏だけに、どんな側近であろうと容赦なく「切る」と思われた。
実際、金正恩氏は今年5月、これも側近である玄永哲前人民武力相を大口径の高射砲で文字通り「ミンチ」にして処刑。6月には、スッポン養殖工場を視察して、現場管理の不備に怒り狂い(この様子は映像でも見られる)、同工場の責任者を銃殺した。
韓国の情報機関・国家情報院は、金正恩氏がこの4年間で約100人の幹部を処刑、しかも「政治判断」による処刑ではなく「感情に基づいた即興的な処刑が多い」と分析している。周囲の幹部に対して、尋常ではない言葉で恫喝を加えているともいう。
ハコモノ行政で成果をあげるのが大好きな金第1書記からすれば、建築関係のプロフェッショナルである馬氏は必要不可欠な人材だったのかもしれない。
ただし、何事もなく復帰とはいかなったようだ。
今月1日の労働新聞は、少年宮殿を現地指導した金正恩氏と随行した馬園春氏の写真を1面で掲載した。それを見ると、馬園春氏は昨年と比べると明らかに激ヤセしている。
馬園春氏の檄ヤセぶりと豹変した雰囲気を見るだけでも、粛清と処刑を繰り返す金正恩氏の恐怖政治が、いかに残酷で恐ろしいものか想像できるというものだ。