副島隆彦先生が、今なお頭さえ素晴らしい分析をされています。この秋が楽しみですね。

副島隆彦です。お盆休みも今日で終わりです。

 熱帯夜で寝苦しい夜が続きましたが、それもあと数日でしょう。 クーラー(冷房機)を付けたまま寝ると、クーラー病になって体に非常に悪い。おそらく扇風機が広く復活しているだろう。

 ロンドン・オリンピックの「民衆にはパンとサーカスを与えておけ」も終わって、もうテレビの材料もない。世の中は、死んだようになって、世界中、沈滞したまま続いてゆく。秋の経済変動のことを気にしている。

1. 8月10日に、消費税の増税法案が参議院でも可決して法律となった。税金の徴収すなわち貢納制度(こうのうせいど)こそは、国家の本質である。政治国家(幻想の共同体)と実社会(実在の世の中)を取り結ぶのは、唯一、税金だ。 

 そして無理やり集めた税金を権力者がどのように使うか、だけが、本当の政治実態だ。貢納と権力分配だけが国家の実在だ。それ以外は虚構である。カール・マルクスは確か25歳で「経哲(けいてつ)学草稿」でそのように書いた。  税金(の徴収)のことだけが国家なるものの実在なのだ。それ以外は虚妄だ。 

 だから、日本の経営者、資産家階級が、自民党支持だろうから、「それぐらいの増税なら受け入れる」と多数派として承認したというのなら、それは日本国家としての承認だ。 どうせ消費税増税分を実際に払うのは、商店主(スーパーが大きい)と企業だ。 国民から薄く広く「納めさせる(=取る)」と言っても現実に払うのは企業経営者たちだ。法人税は赤字決算にして払わないで済ませるが、消費税は、必ず、徴収される。その正体は、売り上げ税(sales tax セールス・タックス)だからだ。

 アメリカに一千兆円も貢(みつ)いでおきながら、「まだこれでも財政赤字は続く。消費税25%への更なる増税が必要だ」と言い出している。財務官僚どもの、アメリカへの忠犬ハチ公ぶりは目に余る。谷垣禎一(たにがきさだかず)は、アメリカに尻を蹴飛ばされて、「さっさと野田政権と、増税法案を可決しなさい」(ジェラルド・カーティスとケント・カルダー)に言われて動いた。これで谷垣は終わりだ。何にも悪いことができない立派ないいひとだ。 「いい人、いい人というのは、どうでもいい人のこと」を言う。


6. ここでアメリカの最新の情報をひとつ書いておく。以下のことは私以外の日本人は誰も知らない。だから、各新聞社の外信部の部長たちも襟を正して読みなさい。

 オバマ大統領は、すでに2回、倒れている。黒人男性に特徴的な呼吸器の病気だ。肺がんではないようだ。ということはどうせ倒れる、ということだ。 ということは、11月6日の本選挙には勝つだろう(共和党のロムニーとポール・ライアンは立派なアメリカ人だが、どうせ勝たせない)が、オバマは病床に伏せてやがて辞任ということになるだろう。そうすると次は誰がなるか。たまには自分の頭で考えてみなさい。誰だ?

 そしたら、ヒラリーもまだ、さらにその次を狙う。ヒラリーは、どんどん太って、ひっつめ髪にして今や老婆だ。あのマデレイン・オルブライトに似てきたから、ハーフブライト(半分賢い)と言われてる。この権力女(けんりょくおんな)は、アメリカ帝国を存続させるためなら、どんな狂暴なことでもする。今もネオコン派の総帥だ。古村治彦著の「アメリカ政治の秘密」(PHP刊)に、詳しく書いている。

7. 目下のシリアの内戦の凄(すご)さは、日本のニューズでも流している。私は、バシャル・アサド政権を支持する。アサド政権は何も悪いことをしていない。住民虐殺などウソだ。

 アラブ世界の各国の民衆は、皆、このことを知っている。しかし、アルジャジーラ放送局(カタールのドーハにある)が、予定通り、その本性を露わにして、下部のレポーター(記者)たちはアラブ世界の大義のために真面目なのだが、アルジャジーラが出来た時からの、後ろ暗い資本関係で、これもアメリカが操(あやつ)っている。アルジャジーラの偏向報道が始めから起きていた。

 シリアでの戦争の 真実は、3000人の アルカイーダの最精鋭部隊を、シリアに投入していることだ。アルカイーダ(アラブ世界の国際義勇兵たち)は、第一次アフガン戦争(1979年、80年ごろ)に、アメリカのCIAとイスラエルのモサドが作った。オサマ・ビン・ラディーンもその輝ける指導者のひとりだ。彼は、2001年の12月に、アフガニスタンのトラボラ渓谷で肺炎で死んでいる。

 アメリカとイスラエルは、(日本の山口組に対するのと同じで)自分たちが育てたアルカイーダに対して、「もう、こういう穢(きたな)い連中は、要らない。いつ自分たちに襲いかかってくるか分からない。処分せよ」ということで、シリアにまとめて投入して、シリア正規軍の戦車部隊と正面戦をやらせて、全部、始末する気である。 

 現実の政治とはこのように恐ろしいものだ。素人のアホたちが、聞いたようなモノ真似の政治評論などするものではない。「散々、利用しておいてから消す」が、政治の一番おそろしい場面だ。今、私が書いたことが分からないようなら、頭が悪いのだから、このことが分からないようなら学問道場に近寄るな。

アルカイーダを作ったのは、戦略家(ストラテジスト)のズビグニュー・ブレジンスキーである。オバマを育てて、デイヴッド・ロックフェラーに具申(ぐしん)して、「いいのがいますよ」で大統領にしたのも、ブレジンスキーだ。 私が、これまでに、いくら本に書いても、まだ、ほとんど読み手に理解力がない。

 政治思想(ポリティカル・ソート)の勉強こそは最高の学問なのだ。分からない人間にはどうせ分からない。分かりたくない人間も分からない。「卑屈であることだけが組織内で生き延びる道」か。

8. 尖閣諸島 や 竹島(あんなに韓国に近いのだから、韓国にくれてやればいいではないか。駄目か? そんなにけちん坊であることが、「オレは愛国者だ」か。バカどもめが。副島隆彦がこの問題でも黙ると思うな)の問題で、アメリカが、東アジア諸国を分断して、互いに反目、反発させる作戦に出ている。

 アーミテージたちが動き回っている。アーミテージは、フィリピン海軍の船に乗って、スカボロー岩礁で、「あの中国の船にぶつけろ、ぶつけろ」と指揮を取っていた。米海軍中佐あがりの 世界の麻薬の密売人の総元締め(CIAと米特殊軍の裏資金づくりの最高責任者)だから、荒っぽいことを自分でする。 

 それでも、フィリピンの今の大統領の ノイノイ・アキノは、CIAに殺されたベニグノ・アキノとコラソンの息子だから、中国と仲良くやろうと努力する。それでも日本と同じで、アメリカの手先勢力(親米派)が、たくさんいるから、彼らが中国との領海紛争を殊更(ことさら)にやろうとする。 

 魚釣島(うおつりじま)に情けなさそうに上陸して、待ち構えていた日本の警察に捕まった、あの香港の活動家たちというのは、香港のテレビ局の経営者の雇われ者たちで、その裏には、アメリカがいる。アメリカがけしかけているのだ。中国政府ではない。

 こんな騒ぎを起こさせて一体、誰が得をするのかを自分の頭で考えてみなさい。 私、副島隆彦のことを、こいつは中国の手先だと、言って切り捨てるこができるなら、やってごらんなさい。私と言論戦をやって勝てると思うか。

 以上のとおり、痛風で、足が腫れて、痛いな、と言いながらも、私は真夏にも元気です。私は、年内にあと、4冊、本を出す。「そんなに どんどん出されても、読む暇がないよー」という読者の皆さんの愚痴は、私もよく分かります。でも、私も、フーフー言いながら、一枚一枚、書いているのです。 私はまだ手抜きはしない。手抜きをしたら、読者(お客さま)にバレるのだと、肝に命じている。  

皆、それぞれ自分の息苦しい人生を自分なりに生き抜いてください。そうするしかないのだ。 知識、思想、学問なら私が教えます。



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