民主党 「生活保護」削減し「公共事業」へ
(日刊ゲンダイ)より
どこが「コンクリートから人へ」だ
「コンクリートから人へ」は、どこに行ったのか。きのう(17日)野田内閣は、
2013年度予算の概算要求基準を閣議決定した。
許しがたいのは、「社会保障費」を大幅に削る一方で、
「公共事業」を大盤振る舞いしようとしていることだ。
とくに約3兆円の予算規模である生活保護費を狙い撃ちにし、
「聖域視せず最大限の効率化を図る」と、削減方針を明記している。
基準段階から、施策名を挙げて見直すのは前代未聞のことだ。
しかし、生活保護を削って、公共事業を増やすなんて許されるのか。
「お笑い芸人の河本準一の母親が生活保護費を受給していたことをキッカケに、
生活保護費の不正受給が問題になった。
たしかに不正受給はよくないが、不正受給者は意外に少ない。
2010年度の生活保護費3兆3000億円に対して、
不正発生率は1・8%、不正受給額は0・4%です。
そもそも、生活保護が必要な世帯の3割しか受給していないのが実態です。
なのに、生活保護費をバッサリ削ったら、00年代後半の北九州で起きたように
餓死者が続出しかねませんよ」
(民間シンクタンク研究員)
ドジョウ首相が国民の反対を押し切って、消費税増税を強行したのは、
社会保障の財源を賄うのが目的だったはず。
増税法案が成立した途端に社会保障をカットするなんてだまし討ちもいいところだ。
「民主党は『国民生活が第一』を掲げて政権に就いたのに、
もはや国民生活はまったく眼中にない。
やっていることは自民党政権と同じです。
最初から増税した財源を公共事業に回すつもりだったのは明らかです。
有権者をバカにしていますよ」
(立正大教授・金子勝氏=憲法)
国民は絶対に許してはダメだ。