初めてのブログでのちゃんとした投稿が、こちらの「イルカ」であることが嬉しいです。
昨日読んだばかりで、興奮冷めやらぬ状態でこの小説の感想を書きます。
「イルカ」 よしもとばなな
あらすじ
恋人と初めて結ばれたあと、東京を離れ、傷ついた女性たちが集う海辺の寺へ向かった小説家のキミコ。
外の世界から切り離された、忙しくも静かな生活。
その後訪れた別荘で、キミコは自分が妊娠していることを思いがけない人物から告げられる。
まだこの世にやってきていないある魂のと出会いを、やさしく、繊細に描いた長編小説。
まず、わたしは文庫本の裏に書いてあったこのあらすじを見て、とてもこの作品が気になりました。
このあらすじは優しく、想像しやすい説明だと感じます。
あらすじの時点で少しだけ、お気に入りでしたね。
女性たちが集まる寺という場所も気になるし、女性ばかりが集う生活というものにも興味があります。
妊娠や女性のことが描かれている小説なんだな、と思い、共感できる作品なのではと思い購入しました。
妊娠したこともないのですが、女性のことが書かれている小説というのは女性として興味があります。
感想ですが、わたしはこの本にすごく共感と、学びを得る感覚を得ました。
ぜひ、女性に読んでほしい作品だと思います。
主人公が熱を出したときに感じた、すがすがしい気持ちだとか、家族に対するさみしい気持ちだとかには、わたしも共感しました。
熱を出してるとき、しんどい時って色々考えますよね。
「静かにただ減っていくだけの空しさ」という一文が出てきますが、この言葉に共感する人はたくさんいるんじゃないでしょうか。
時間がただ減らしていくだけのものって、空しいです。
時間が作り出していくものもたくさんありますが、減っていくだけの空しさは、人生において強烈なストレートパンチみたいです。
この小説では、恋愛についても書かれていて、そこでは女性の視点で恋愛が描かれています。
男性は女性に「母親」を求める。
女性は男性に「父親」を求める。
人はだれしも、優しさを求めているんじゃないか、という文には納得しました。
でも、優しさを求めるだけの感情で家庭を作りたくない。
そこには与える気持ちもあって、対等に関係を築きたいです。
循環あってこその人間関係だと思うのです。
それがお金で解決できなかった時、暴力的なことになる。
そして、作品のなかで傷ついた女性たちが集う寺で女性たちにご飯を作ったり、買い出しに行ったりする主人公。
わたしは女性だけの暮らしっていうものにとても興味があります。
母子家庭なのもあって、女性同士の暮らしには慣れてます。
女性が持つ温かさや生々しさを実感していますが、わたしはそれが大好きです。
愛おしい、と思います。
女性の生々しさとか、その他諸々が好きなのです。
大変なこともあると思いますが、わたしは女性として産まれて幸せです。
わたしにとっての女性はしあわせの形みたいなものです。
作品のなかでも、女性だけの暮らしが少しだけ描かれていますが、やっぱり特有の空気感があってよかったです。
女性は男性がいなくても生きていけるんじゃないか、という文章がありましたが、なんとなく、わたしもそう思います。
もちろん差別とかではなくて、男性に依存しなくても、女性は自立できるという意味でそう思います。
経済的な自立や、精神面での自立。
男性がいなくても、女性だけでも食べたり、会話したり、喧嘩したり、さまざまなことを味わえて、成長できますよね。
男性とかかわる上でしか得られないものもあるとは思うけど、でも、そこばっかりに固執しなくてもいい、と思えました。
なんだか、自由になれた気がしました。
そういう自立があってこそ、健やかに生きられると思います。
主人公のキミコは自立している人間だと思いました。
恋愛、家族、妊娠出産、様々なことから、キミコと共にたくさんの発見ができます。
このひとつの作品で多くのことが学べます。
この小説には、「人生の悪霊」という言葉がよく出てきますが、それはみんな知っていて、みんな戦ってると思います。
キミコも同様に、それらと戦っています。
等身大の女性の、勇気ある生き様を見れます。
とてもいい作品でした。
ちょっと不思議な、スピリチュアルな出来事もかかれています。
よしもとばななさんの作品では、そういう能力を持った人が良く出てきますよね。
そういうのも、好きなのでよかったです。
キミコはいずれある魂と出会いますが、わたしもそんな魂と出会ってみたいと思いました。
涙が出るくらい、素敵でした。
人は人の思いによって生きている、と思えます。
なので、わたしも人の幸せを願う人間になろう、と思えました。
この作品のように、新しい形で人間関係を作っていきたいです。
形にこだわらず、本当の自分なりの幸せを見つめて。