「なんにもしてあげられない」
がんと闘う家族がいる人がえんみにぽそっと話してくれました。
がんという病気はとても強い病気です。
こんなに薬がいっぱい開発されても
全員が治るわけではありません。
医療者はがんばって病気を治そうとします。
ただ、時には病気しかみていないこともあるかもしれません。
病気の話ばかりしていると、「病人」になってしまいます。
忘れないでください。
がんと闘っているあなたの大切な家族は、
病気と闘いながら生活している人なんです。
家族は何ができるのか?
生活していることを思い出させることです。
普段ずっと話しているわけではありませんよね?
普段ずっと気にしているわけではありませんよね?
そういうことです。
病気だからと言って、ずっと話しかけ続けなくてもいいのです。
病気だからと言って、ずっと気を使わなくていいのです。
大切な家族が病気になったこと、それはとてもつらいことです。
大切な家族が病気になったことにより他の家族が気に病み、
家族みんなが元気がなくなることはよりつらいことです。
家族ができること、
それは家族にしかできないことをすることです。
そばにいる
たわいのない話で笑う
思い出話をして懐かしむ
好きな食べ物を一緒に食べる
話を聞く
これで十分なのです。
家族は何もできないのではなく、
家族にはできることがいっぱいあるのです。
家族にしかできないこと。
家族だからできること。