それは、とてもとても美しいお葬式でした。

 

えんみはハワイでお葬式に参列したことがあります。

友人の友人のお葬式です。

つまり会ったことのない人のお葬式です。

 

南の島を愛し

故郷を離れ

オアフ島で暮らしていた友人の友人は

突然ケガが原因で亡くなりました。

 

「クレイジー」という言葉そのものの彼は

誰からも愛されていた人でした。

 

彼はえんみが出会ったことのない人です。

 

彼の友人たちから彼の話をたくさん聞きました。

彼の友人たちは彼のことをたくさん話してくれました。

 

彼が大好きだった大海原で

彼が大好きだったビーチで

彼が大好きだった山の中で

彼が大好きだった歌に囲まれて

彼が大好きだった音楽に触れて

彼が大好きだった人々に包まれて

彼が大好きな土に還っていきました。

 

残された人は

泣きながら

笑いながら

彼の話をしていました。

 

えんみは彼を一生忘れないでしょう。

えんみの心には彼は生きています。

 

「死ぬ」とはこういうことなのかもしれません。