そんなある日、彼女から、トレードの話を聞いた。
楽しそうに、笑顔で話す彼女を見て、興味が湧いた。
今まで読書以外、これと言った趣味が無かったので、興味を持った自分に対して逆に驚いた。
彼女に自分もやりたいと頼んだら、一緒に頼んであげると言ってくれた。
頼む相手は、くだんのうだつがあがらない彼氏であった。
トレードと言うものが、投資の手法であり、利殖の一手であると言うことを、このとき知った。
彼が小金持ちであることも、これで納得できた。
いつも優しくきさくな彼氏なのに、このときは違っていた。
彼氏は教えることを拒否した。
理由は、単なる好奇心だけで中途半端にやるべきでは無い、と言うことだった。
読書以外に興味を持った初めてのことだったので、是が非でもやってみたかった。
すると彼女は、一案を授けてくれた。
「そう言えばユッコ。最初の100万、バイトで貯めたって言ったけど、何のバイトしたん?」
だし巻きを箸で切りながら、よろずのが言う。
「カテキョーよ。美央が紹介してくれたところに登録したら、直ぐに良い口が見つかったの。」
「やっぱ、美央の策略やったんか。」
「当たり前でしょ。あたしに、そんなことわかんないもん。」
彼女が教えてくれた策略は、まずは100万円を貯めることだった。
100万円を貯めて本気度を見せれば、彼氏は折れてくれるだろうと言うことだった。
簡単に100万円なんか貯まらないと思っていたら、割の良いバイト先まで紹介してくれた。
彼女の人の良さに、正直憧れた。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし