昨日の進撃の巨人見た?
・・・なんだよ、リヴァイ兵長め・・・
いちいちカッコよすぎるんじゃッ!!!!!!!!
ほんっと・・・いちいちいちいちいちいちいちいちいちいちいちいち・・・・・・・・・・・・
神様かッ!!!!!!(/ω\)
ここのところ、ジャンの見せ場が少ないので、兵長にどんどん進撃されてるよ!!
ジャン!ぼさっとしてると、あなたのはむこはどこかへ行っちゃうぞ!!(執行対象です。セーフティを解除します)
ということで、ジャン好きを公言しておきながら身体はリヴァイ兵長を求めております。
はむこでした。
夏休みから作文しておりまして、ようやく最終話です。
なんやかんや、お話を完結させた達成感というのは、いいもんですね。
勝ち割るのは、堅実なゲームセンス
運命は奪い取るものだ。
『プロバビリティ・デスゲーム』Final attack
「おい。いつまで転がってるつもりだ。いい加減、起きろ」
ぺちぺち、と頬を叩かれ、あたしはゆっくりと瞼を持ち上げた。
「・・・うぅ」
まだぼんやりする視界に映ったのは、呆れた表情のリヴァイ兵長だ。
椅子ごと横向きに倒れたおかげで、体の右半身が痛い。その痛みとともに意識を飛ばす前の記憶が甦って来る。
あたしが飲んだのは、酒だ。本物のトリカブトの毒だったら死んでいた。
と、言っても、あたしは体質的に酒を一滴たりとも受け付けない体なので、グラス一杯の酒を一気に呷るなど、死んでもおかしくない行為なのだが。
のそのそと立ち上がり、椅子になんとか腰掛けると、リヴァイ兵長が口直しに水を差し出してくれる。
それを飲みながら、あたしは疑似体験したデスゲームの感想を述べる。
一言で言うと、嫌なものだった。
「リヴァイ兵長も酷い目にあったもんですねぇ。調査兵団の兵士長のくせに、丸腰で犯人の口車に乗るからですよ!あたしの『リヴァイ兵長探知機』が反応したから、あの場所が特定できたものの・・・」
そう。
リヴァイ兵長が出て行った後、あたしはしばし考えた。いくらリヴァイ兵長でも、丸腰はマズいのでは、と。そして、慌てて立体起動装置を身に着け、憲兵団の何人かに協力を得て、その後を追ったのだ。
「お前が立体起動装置を使って、窓ガラスをぶち破って入ってきた時には全て終わった後だ。何の役にも立ってねェ。何が『探知機』だ。ただ後ろからつけて来ただけだろうが。気持ち悪ィ」
頬杖をついたリヴァイ兵長が吐き捨てるように言う。
女の子に向かって、『気持ち悪ィ』とは失礼な。
「それにしても、よく生還できましたよねぇ。シヴァの持っていたトリカブトの毒も拳銃も本物だったんですから・・・」
「シヴァはどうしても俺と勝負がしたかった。それが仇となったわけだ。だから、グラスを選ぶときに見るなと言う要求を拒めなかった。そこでミスを犯した」
危機に瀕して、リヴァイ兵長が考えたこと。
それは、どうすれば自分もシヴァも死なずに済むかということだった。
この難解な問題の答えを、彼は短時間で見つけ出したのだ。
頭の回転の速さと冷静さは感服するしかない。さすが、数々の危機を乗り切ってきているだけある。
あたしだったら、自分が助かる方法だけを考えて、パニックに陥ってるだろう。
「あいつが振り向くまでにうまくやる自信は無かった。間一髪で悟られずに済んだ時は、冷や汗モンだったぜ」
シヴァが振り向いている間に、リヴァイ兵長がしたこと。
それは、三つのグラスの中身を全て混ぜてしまうことだった。
それぞれのグラスに三分の一ほどしか、中身が注がれていないことが幸いした。これが、目一杯グラスに注がれていたら出来なかった細工だ。
「音を立ててもいけないし、時間は十秒しかなかった。どのグラスにも毒が三等分されるようにするのはなかなかスリリングだったぜ。注ぎ終わった後、人差し指でかき回すところまでは何とかなったな」
巨人と対峙した時のリヴァイ兵長の動きの速さは、人間の域を越えているのではないかと思う。もちろん、立体起動装置という人外の力を借りてのことでもあるが、それを抜いても十秒間にこれだけの事をやりきるには、普通の人間では無理だ。
なにはともあれ三つのグラスをひとつにまとめ、それをまた三等分にすれば、いかなる場合も致死量の三分の一を飲まなければならないが、命だけは助かる公算が高くなるとともに、シヴァが致死量を口にする可能性も消えるのだ。捨て身の作戦ではあるが、見事な機転と言っていい。
毒の三等分が成功したら、あとは作戦が立て易かった。
まず、シヴァが三分の一の毒を飲み、リヴァイ兵長に選び直しのチャンスが回って来る。残りのどちらを選んでも結果は変わらない。
最終的に投じられたトリカブトの内、三分の二をシヴァが、三分の一をリヴァイ兵長が飲んで終了する。
毒の分量が多ければ二人とも死んでしまうが、シヴァは「一人分の致死量」と言った。
それを信じるしかなかったのだ。
「俺は、じっとシヴァの様子を観察していた。症状が出るまでに三十分はかかったぜ。奴は驚いてたな。『当たり』を引いたのは俺なのに、自分の身体に異変が起き始めたんだからな。そこに僅かな隙が出来た。予測通りだ」
「・・・丸腰で拳銃持った相手に飛びかかろうって考えが恐ろしいですよ。ましてや、相手はリヴァイ兵長よりも体格が大・・・・何でもないです」
目の前の兵長の殺気が一気に上がったのを感じて、慌てて口を噤んだ。
しばらく鋭い目で睨まれていたが、兵長はそのまま視線を動かして、話を続ける。
「時間が無かった。極力早く拳銃を取り上げ、救助を呼ぶ必要があった。俺自身とあの野郎の為にな」
「『どのグラスにも毒が混ざるようにグラスの中身を全部混ぜてやった。お前の方が多く毒を飲むことになるぞ!』って脅してやれば良かったじゃないですか?」
「俺はそっちの方が危険度は増すと踏んだ。神聖なゲームを冒涜されたと発狂して、撃つ可能性があったからな」
リヴァイ兵長が際どい賭けに勝利し、シヴァの腕を力一杯捻り上げて拳銃を奪いシヴァを制圧した所へ、通りがかりの人の目撃を頼りにリヴァイ兵長を探していたあたしが、立体起動装置を使って二階の窓を破り、憲兵団とともにデスゲームの舞台へ乱入したのだった。
「でも、あの時のリヴァイ兵長の事は忘れられませんよ。よっぽど、あたしに会えたのが嬉しかったんですねぇ。あたしの顔見るなり抱きついてきちゃって・・・」
あたしは、熱くなる両頬を手のひらで包みながら、あの場面を頭の中で再生する。
現場へ駆けつけるなり、リヴァイ兵長のもとへ駆け寄ったあたしを見た彼は、突然切なげな表情をしながら、あたしの肩にその顔を埋めた。
あの場面を思い出すと、顔の熱と緩みが止まらない。
すると、リヴァイ兵長がテーブルの下のあたしの脛を強く蹴った。
「ッッッたぁぁぁぁぁッ!!!」
あたしは、椅子から反射的に飛び上がって、蹴られた右脛を抱えながら、その場で小さく跳ねた。
「テメェのその天晴な頭はどうにかならねェのか?トリカブトの毒を致死量の三分の一とは言え飲んでるんだぞ。まともに立ってられる訳がねェだろうが。馬鹿みたいに呆けやがって」
「・・・ちょっとくらい、夢見させてくれたっていいじゃないですか」
「お前のグラスには、本当にトリカブトを入れておくべきだったな。頭に湧いたウジぐらいは駆除できたかもしれねェ」
あたしが飲み干したグラスを見つめながら、真顔でリヴァイ兵長は言った。彼なら本当にやりかねないので、あたしは「でも抱き付いたのは事実です」という言葉は飲み込んだ。
あたしが大抵リヴァイ兵長に怒られるのは、一言多いというところにある。
「シヴァは、青のグラスに毒を入れていたんですね?」
あたしは、話を戻す。
「そうだ」
「と、いうことは・・・自分はゲームに勝ったと確信していたわけですね。『もうすぐ、リヴァイ兵長の身体に異変が起きるぞ!・・・もう、そろそろだ!』と思いながら待っていたら、自分の身体に異変が起きた。愕然としたでしょうね」
「それも計算の内だ。相手がショックを受ける様に、俺はなるべくアイツが作った『当たり』を引く確率が高くなるようにグラスを選んだ」
それが分からない。
「わざと『当たり』を選んだってことですか?最後にグラスを赤から青に変えた事で、何故『当たり』を引く確率が高くなるんです?そういえば・・・あたしが倒れる前に『正しい判断をした』って言いましたよね?あたしは、最初に酒のグラスを掴み、選び直す機会を放棄して負けたんですから・・・正しい判断とは言えないんじゃ・・・」
「お前の唯一、褒めるべき所は選び直さなかった事だ。クジ引きみたいなガキ臭ェこのゲームも、ちょっとばかり論理的なんだ。シヴァに勝負を挑まれた側は、勝つ確率を上げる事ができる。実は、シヴァがハンデを負ったゲームなんだよ」
何故そうなるのか。ゲームが始まる時に置かれたグラスは三つ。そのうち、一つが『外れ』として除かれ、二つが残る。そのうちのどちらかが『当たり』。どう考えても、『当たり』を引く確率は二分の一。それより高くもならなければ、低くもならないはずだ。
「シヴァの会話の中に何かヒントらしきものがあったんですか?」
「そんな曖昧な話じゃねェ。その少ねェ脳味噌で考えてみろよ」
リヴァイ兵長は自分の米神をとんとん、と叩いて言う。
さっきから、人の頭を『ウジが湧いてる』だの『少ない脳味噌』だの酷い言い様だ。リヴァイ兵長じゃなかったら殴ってる。
「・・・そんなこと言ったって・・・二分の一は二分の一。他に考えようがありませんよ」
どんなに考えても、これ以外の答えなど導き出せるはずもない。
お手上げです、と目尻を下げたあたしに、リヴァイ兵長は溜息を一つ零した。
「しょうがねェな・・・ガキにでも分かるように説明してやるから、よく聞けよ?最初に俺がグラスを選ぶ時、『当たり』を引く確率は?」
「三分の一です」
「二度目に選んだ時は?」
「二分の一です」
「そういうことだ」
「・・・・・」
二人の間に沈黙が落ちた。
夕暮れでオレンジに染まる部屋。鴉が一声鳴いて飛び去っていく。
「そんな説明で分かるわけないじゃないですか!!」
机に両手を勢いよく付いて立ち上がり突っ込むあたしを、リヴァイ兵長は口の端を少し釣り上げて、喉の奥だけで笑った。
完全にあたしの反応を見て楽しんでいるようだが、解毒の治療から復活して元気になったようで何よりだ。
「分かった、言い直そう。最初は三択問題だった。俺が引いた赤のグラスが『当たり』である確率は三分の一。青もしくは緑が『当たり』である確率は、三分の二になる。ところが、シヴァが緑のグラスを飲んだ事により、緑が決闘の場から外れ、三分の二の確率を青が一手に引き受ける事になる。だから、青は赤よりも危険だ。それが当たる確率は二分の一じゃない。シヴァが干渉することで、確率に変化が起きたんだ」
あたしは、口をへの字に曲げて再び抗議せずにはいられない。
「・・・どうも、新手の詐欺に引っ掛かってる気分です。兵長、わざと理解できないように喋ってませんか?」
心外そうにされた。その顔は、本当に呆れてる顔だ。
「じゃあ、こう考えろ。シヴァが用意したグラスが三つじゃなく、十・・・いや、百個だったとしよう。そのうち、一つが毒杯だ。どれかを選んで飲むように言われたって、そんなに恐ろしくはないはずだ。『当たり』を引く確率は百分の一なんだからな」
あたしは頷く。
「お前は勘だけを頼りにグラスを一つ選ぶ。その後、シヴァが九十八個のグラスを空にして、テーブルに二つのグラスを残す。お前が手にしているグラスともう一つだけ。そこで『選び直してもいい』と言われて、お前は変えるか?」
「・・・いいえ」
あたしは首を横に振る。
最初に選んだグラスは九割以上の確率で『外れ』である。セーフだ。
一方、わざわざ残されたグラスは限りなく『当たり』に近いのだから。
「極端な例をあげりゃ分かるだろ。そういう事なんだ。これは、グラスの数が減ろうが増えようが原理は同じ。当たりがどれなのか知っている人間が干渉することで、確率は変わる。グラスが減ってから選び直すのは、『当たり』に近付くってことだ。だから、俺は一旦シヴァを油断させるためにあえて青を取ってやったんだよ」
あたしは、ぽかんと口を開けたまま兵長を見つめた。
脱帽するしかない。あの極限の緊張感の中で、この人は一体、いくつの事に頭を回したのか。
兵長はよく『考えるのは、エルヴィンの仕事だ』とかなんとか言っているが、リヴァイ兵長も充分、普通の人の一つ、二つ先の事を考えている。
「リヴァイ兵長・・・やっぱりスゴイ・・・好きです」
「まぁ、これもあくまで確率の話だけどな。赤と青、どっちに毒が入っていても不思議は無かった。わざと『当たり』を掴んで、シヴァの思惑通りになったのは偶然だ」
あたしの告白を華麗に無視して、リヴァイ兵長は椅子から立ち上がった。
彼の姿を見上げ、あたしは改めてリヴァイ兵長の勝利と生還を心の中で祝福した。
シヴァは憲兵団に身柄を引き渡され、現在は審議所の地下に拘留されている。
機会が得られ次第、リヴァイ兵長は面会を希望している。
『長い話を聞く』その約束を果たすために。
拳銃を奪われ、リヴァイ兵長に取り押さえられながら、シヴァは消え入るような声で言ったのだそうだ。
『生きたい』
【終】
お付き合い頂きありがとうございました。
初めてオリジナルのキャラを取り入れてみました。
『ユニコ・ニケ』のキャラの名前の由来は、伝説の馬ユニコーンの『ユニコ』ですwww
そしてニケというのは、神話に出てくる戦争の女神の名前です。強いんです、ユニコ。
伝説の馬と戦争の女神。いかにも強そうでしょ?www
ユニコとリヴァイ兵長のお話は、これからも時々書いて行こうとか思っています。
最近は、進撃熱が上昇中なので、いろいろネタが浮かんできます。
それもしょうもないものばっかなんですがwww
また、お付き合いいただければ幸いです。よろしく。
ちなみに『シヴァ』も神話に出てくる、破壊神の名前。