リストラ後の人手不足が与える教訓 | よろず「ゆんたく」広場

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ぎのわんシティFM「水曜ちゅらちゅら作戦」でパーソナリティーを務めるコギーのブログです。
「水曜ちゅらちゅら作戦」は毎週水曜日20時30分から20時55分に放送されております。

正社員の解雇規制の緩和など労働市場の流動化に向けた議論が政府で進む中、逆に労働者が「辞めたいのに辞めさせてもらえない」といった労働相談が増えている。デフレ不況で企業がリストラを進めすぎた結果、人手不足に陥ったためと言われる
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130407/biz13040708090001-n1.htm


厚生労働省の労働相談統計でも、全国の労働局などが受け付けた民事上の個別労働紛争相談のうち、平成15年度は29%が解雇をめぐるトラブルだったが、平成23年度は18%に減少。一方で、自己都合退職にまつわるトラブルは同じ期間に3%から8%に増えた。背景には、長期にわたるデフレ不況の下、企業がリストラを進めすぎた結果、逆に人手不足に陥ったケースがあることが指摘されている。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130407/biz13040708090001-n2.htm


辞めたくないのに無理やり辞めさせられることが繰り返された一方で、辞めたいのに辞めさせてもらえない人が多数いる。このような状況を経営者はどう考えているのか。ひどい例だと、給与を前借りさせて辞めないように仕向けたり、社長が自宅に乗り込んできて怒鳴り散らしたりする例もあったのだそうだ。ここでいちばん浮かばれないのは、辞めたくないのに無理やり辞めさせられてしまった人々だ。自分が辞めさせられた後、人手不足に陥ったとなれば、「なぜ、あの時自分を無理やり辞めさせたのか」とという疑念を以前の会社に対して抱くのも無理はない。それに、無理やり辞めさせられた後でいまだに再就職先が見つかっていないのであれば、なおのことそのような疑念を強く抱くであろう。


業績が悪化するとすぐにリストラを進めるような経営者は、目先の業績を上げることだけを考え、その後のことはほとんど真剣に考えていない。そして、今度は人手不足に悩むのである。今回のこの記事を教訓にしないというのであれば、経営者としては失格であるばかりか、人間としてもなっていないと言える。