毎年、ルミナリエが開催されている東遊園地には、阪神淡路大震災の記念碑として 『1.17希望の灯り』 が建っています。




らいらい軒




 縦横各60cm 高さ120cm

 土台は黒御影石

 強化ガラス製のガス灯です。




 『希望の灯り』 は、阪神大震災から5年後年に建立されたものです。


 震災から丸5周年にあたる 2000年1月17日。


 47都道府県からボランティアが持ち寄った種火と、被災10市10町のモニュメントなどを巡って運んだ種火を合わせて1つにした火が午前5時46分に点灯されました。



 『1.17希望の灯り』 の台座には、こんな碑文が刻まれています。


 1995年1月17日午前5時46分 阪神淡路大震災

 震災が奪ったもの命 仕事 団欒 街並み 思い出

 …たった1秒先が予知できない人間の限界…

 震災が残してくれたもの やさしさ 思いやり 絆 仲間

 この灯りは 奪われた すべてのいのちと

 生き残った わたしたちの思いを むすびつなぐ



 阪神大震災で大きな被害を受け復興を遂げた神戸からのエールとして、『希望の灯り』 は、東日本大震災の被災地に分灯されました。


 被害者への追悼・避難者の早期帰還・街と人々の復興を祈る灯りは、岩手県陸前高田市・岩手県上閉伊群大槌町・福島県南相馬市の3ヶ所に送られました。


 東日本大震災から2年となる今年の3月11日には、福島県いわき市と宮城県川崎町に点灯されることになっています。



らいらい軒




 東遊園地の南側ブースには、東日本大震災の被災地の子供達の絵と、神戸の子供達の絵とが並べて飾られていました。






らいらい軒



 2012年の開催趣旨の一つは、「東日本大震災などの災害によって被災した地域との『絆』と『交流』を深める行事として開催する」 こと。


 大震災という同じ痛みを共有した神戸と東北の子供達の絵は、夜の闇の中でライトアップされて輝いていました。



らいらい軒


 私がルミナリエに来たのは3回目だけれど、来る度に 『阪神淡路大震災の鎮魂と復興の象徴』 という趣旨は年々薄らいでゆき、冬のイベントの一つとなってしまっている気がします。

 18年という時間を経て、阪神淡路大震災で被害を受けた方々の痛みが少しでも薄れていっているのならば本当に喜ばしいことなのだけれど・・・



 崩れ落ちた残骸と焼け残った瓦礫の中、なすすべもなく呆然と座り込んでいた被災者の方々が見上げたであろう夜空。

 電気は止まり灯りもない真っ暗な中で、冬の澄んだ空に輝いていた月と星の光。

 

 そんな夜を経たからこそ、生涯のうちで今まででもっとも美しく写ったであろう1996年のルミナリエの黄金のまばゆさ・・・

 震災の痛みを知らない自分は、被災者の言葉と想像でしか震災を受け止められないけれど・・・

 想いだけは寄り添えれば、と心から思います。



らいらい軒




 『3.11』『1.17』

 『想いよりそう』 の文字・・・





らいらい軒





 東日本大震災で、家族も友人も仲間も職場も家もすべてを失い


 未来への希望も明日の生活のあてもないままに避難所生活をおくっている沢山の被災者の方々。



 

 2012年のルミナリエのテーマは、『光の絆』 でした。



 すべての人たちの心に、光が届きますように・・・