マンチェスターユナイテッドといえばアレックス・ファーガソン時代が1986-2013まで続き、プレミアリーグ優勝13回、CLも2回獲った栄光の時代だった。彼が退任した後、安定しないチーム事情が続いている。モイーズ、ファン・ハール、モウリーニョ、スールシャール、そして現在2022からテン・ハフが監督を務めている。

 ファーガソンが退任してから10年間プレミアリーグの優勝はない。2位から7位を彷徨って、優勝争いにすら絡めないこともしばしばでCL出場権も逃すこともある。CLもベスト8が最高である。

 では、補強がどうだったかというと、お金は十分にかけてきた。ポグバ、ルカク、メンフィス・デパイ、アレクシス・サンチェス、カバーニ、イブラヒモビッチ、マグワイア、マルシャル、ヴァラン、フレッジ、アントニー、カゼミロ、サンチョなどなど錚々たるメンバーだ。ラッシュフォードはユース出身であるが、伸び悩んでいる。補強で最もインパクトを残した選手がブルーノフェルナンデスで、2021年同じポルトガル出身で古巣であるクリスティアーノ・ロナウドが帰還して、強いマンチェスターユナイテッドが戻ると思いきや、戻ってこなかった。

 「強いマンUが戻ってきた」と期待感は高まるが、それが長続きしない。連勝することはあれど、その後反動のように長い低迷が続く。そんな10年を過ごしてきた。23-24のプレシーズンでテン・ハフ監督と選手の間でゴタゴタがあったとの声も聞く。そしてシーズンも中盤になっているが優勝争いには絡めていない。 

 ファーガソン時代の勝ち取ったタイトルの数も偉大だが、彼のチームは魅力的で世界的なブランドも確立した。守りを固めて勝ちを優先するチームではなかった。攻撃的で、勇敢で逆転勝ちも多くエンタメ的な要素も持っていた。98-99CLファイナルの大逆転劇も印象的であったし、負けたものの同じくCLファイナル08-09、10-11のバルセロナの戦いも印象的だった。

 サーアレックスファーガソンは現在のプレミアリーグの興盛の礎を築いた。夢の劇場オールドトラッフォード、今も観客は満員だ。また、あのファーガソンの意思を感じるチームがみたい