「おまゆさん~。じゃあ、行きますか!」

手術室へ

扉が開き、みんなとはしばしお別れ
…キャスター付きのイスに座ったまま
奥へ奥へと転がされていく私

ホント
よく小学校の担任の先生が座ってたような
子供の遊び道具として大人気だった
あんな感じのコロコロ椅子です
今考えると滑稽な姿煜


さて…
手術台にのせられ、背中に麻酔を打たれる
骨にグーっと圧力がかかったかんじ
Drがポンポンと冷たい物で刺激してくるが
肩から下はもう感覚がなかった

初めての手術に手がガタガタ震えて止まらない

いよいよなんだっDASH!


手術が始まる…


焦げ臭いような臭い
電気メスで切開している臭いだったんだと思う


痛くはないけど
グイグイ何か引っ張られているような感じがあり…
気持ち悪い感覚を味わっていると


ギ、ギャー、ギャービックリマークビックリマーク


赤ちゃんの声
自分のお腹にいた
赤ちゃんの声


初めて聞くその声に
自然と涙が流れ

あぁ、子供が産まれるって
こんな幸せなんだ
そう思った

麻酔をしてくれたDrが
そっと涙を拭ってくれた
それでも涙はどんどん溢れ
しばらく止まらなかった



しかし
その場にいる小児科のDr達の診察が終わらない

まだかな?長いよなぁ


「酸素濃度が低いから」
とだけ聞かされ
一目も顔が見れないまま
私は病室に運ばれた

その時不安はありつつも
大丈夫だと思ってた


しばらくして
もー、ものすごい
焼けるような痛みが体中を走りはじめ…
麻酔が切れてきたっ!

「今の痛みを、最高が10だとすると、どれくらい?」
看護師さんに聞かれるが

10がわからない…
痛いものは痛いよ
うー、6かな
なんて答えてしまう

「じゃあ、もうちょっと頑張れるね」


失敗だった
どんどん痛みが増し、耐えられない!!
その時の私は
のんちゃん曰く
『見たこともない形相で、顔を左右に振り、うめき、もがいていた』
らしい


看護師さんを呼んでもらい、モルヒネの量を増やしてもらう


そんな中
「赤ちゃん子供病院に今から運ぶから」
Drが赤ちゃんを連れてきてくれた

保育器の中
茶色の小さな子
お手々がゆっくり動いていた

可愛いドキドキ

一瞬頭をそんな思いがよぎる
でも
痛みと薬で意識もうろう
何も考えられる状態じゃなかった


幸也はこうして
産まれてすぐに
ママの腕ではなく
救急車皜にユラユラ揺られ
独りぼっちで子供病院に運ばれていったのです



私は引き続き
のたうちまわり…
時間は過ぎていく



☆☆今日もおきあがりこぼし☆☆~転んでもまた起き上がる~-100331_092157.jpg
2009.07.03
AM9:23
身長 46cm
体重 2732g
幸也くん
祝福されてこの世に
誕生!!!