佐賀キリスト福音教会という宗教法人に対する宗教法人解散勧告について

 宗教法人の解散は、日本の現行法制度では、当該宗教法人自体の自発的な任意解散と裁判所の命令による解散に大別される。本勧告で求める佐賀キリスト福音教会という宗教法人に対する宗教法人解散は当該宗教法人自体の自発的な任意解散である。本勧告は、宗教法人代表者については届出があるが、仄聞するところでは、憲法で保障された信教の自由に基いて、信者らに教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行う宗教指導者が当該宗教法人には現在いないし、いなくなって20年余になっているので、当該宗教法人は宗教法人法による宗教法人の制度的保護や社会的恩典享受などに値しない現況に基づく。宗教法人が制度的に解散したとしても、その元宗教法人の信者たちが、宗教法人であった頃の宗教施設としての元の教会に集まって、礼拝儀式や説教やクリスマスやイースター、洗礼式などの各種宗教的礼典や宗教活動や宗教行為を行うことが禁止されるわけではない。それらの実施は信教の自由として憲法で国民すべてに保障されている。ただ、信者たちにとっては、さして重要ではなく、大したことではないが、宗教法人が制度的に解散になれば、宗教施設の土地や建物、宗教活動や宗教行為のための信者たちの間での金銭の収受に関わる国や地方公共団体の各種納税免除がなくなり、すべての信者たちへの課税が開始され、すべての信者たちには確定申告が毎年必要になり、権利義務の主体が喪失されるだけである。宗教法人解散後でも、信者たちにはこれまでと同様に信教の自由があり、信者たちにとっての宗教的本質は変わらない。