小規模私立大学のゼミ学生の戸惑いと苦悩について

 

 旧七帝大、旧官立大学、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の先生たちはたいてい、旧七帝大と旧官立大学の大学院卒で、学部の4年間卒業後の大学院進学以後、5年間の大学院在学期間と人によっては海外留学期間も含めて10年間、自分の研究を行い、それを学術学会などのいろいろな機会に研究発表したり、研究成果を書いた書籍の出版や論文の執筆を行う。それらの業績が認められて、自分の出身大学としての旧七帝大と旧官立大学の正規の先生になったり、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の正規の先生になったりする。旧七帝大、旧官立大学、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の正規の先生としての就職には、大学院進学以後、10年間が必要である。その長い修学期間の実現には自分の家庭の経済力が不可欠である。旧七帝大、旧官立大学、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の先生の家庭は元々裕福である。

 小規模私立大学の先生は、学部卒後、2年間の大学院での修学で大学院を卒業する。そして、生活のために、研究とは無関係な仕事を行い、それで生活費を稼ぎ、そのために研究は行わないので、生活費に回すお金しかなく、研究発表や著書の出版や論文の執筆にはお金がないので、学術学会などのいろいろな機会に研究発表しないし、研究成果を書いた著書の出版や論文の執筆を行わない。それで、小規模私立大学の大学院出身者は、大学院での修学がわずか2年間であるという条件や、旧七帝大、旧官立大学、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の大学院と比べて社会的評価が低い小規模私立大学の大学院の出身であるという条件と共に、研究業績がないという条件のために、旧七帝大、旧官立大学、地方国立大学、公立大学、大規模私立大学の大学院出身者とは相異して、30歳前後で大学の正規の先生への就職ができない。小規模私立大学の先生は、元々、自分の家庭が貧困で、海外留学などができないし、大学院で5年間以上も修学することはできないだけではなく、学費と共に自分の生活費も自分でアルバイトをして稼がないといけない。それで、結局、小規模私立大学の大学院の出身が大学の先生になるのは、研究業績が事実上不要で、学歴や経歴も問題にされない小規模私立大学でしかない。小規模私立大学の先生になるのにも、どこの大学でも定年退職年齢まで10年余程度の50歳乃至55歳の間の年になり、住宅やマンションの購入か結婚かの両方は経済的に可能であるので、二者択一になるが、もしかしたら銀行ローンは組めないかもしれないので、住宅やマンションの購入は諦めなければならない。しかも、小規模私立大学の先生はたいてい、自分の元々貧困な両親に対して給料やボーナスから仕送りをしなければならない。実は、仕送りは、両親だけではない。兄弟姉妹にも親類にも縁者にも仕送りをしなければならない人もいる。また、結婚していれば、配偶者の義理の両親、兄弟姉妹、親類、場合によれば、縁者にも仕送りしなければならない。貧困な家族は、その両親や兄弟姉妹も親類縁者も、配偶者もその両親や兄弟姉妹も親類縁者も当然に貧困である。貧困の家族や知り合いの中で、だれかが定期収入があれば、その人に全員が当然にたかることになる。それで、小規模私立大学の先生の家族の生活もいつも大変である。小規模私立大学の先生はたいてい、いつでもお金に困っているので、自分のゼミの学生を選択する際、その学生たちの家庭の経済力を調べて、場合によっては、学生の親に借金を申し込んであるという噂もある。それで、親から怒られて、ゼミ学生は自分のゼミの先生のことで困惑し、苦悩しているといことである。これも噂の類である。