福岡にある小規模私立女子大学の定員割れの激増と急迫

 

 学校教育法施行規則という文部科学省令がある。その文部科学省令のなかの10年余以前に改正された規定によって、それ以後、毎年度、次年度の新入学生募集開始までに、大学進学志望の高校生や過年度高校卒業生と高校卒業検定試験合格の大学進学志望者などの便宜のために、全国の国公私立大学はすべて、当年度4月における各大学の全学年の学生所定総定員数と各学年在学在籍学生実数、そして、単年度各学年の学生所定定員数と在籍在学学生実数を含む各大学の現在を社会に公表することが義務付けられました。

 私立大学の場合、日本私立学校振興・共済事業団の 大学ポートレート というインターネット上の公開ホームページにおいて、当年度4月における各大学の全学年の学生所定総定員数と各学年在学在籍学生実数、そして、単年度各学年の学生所定定員数と在籍在学学生実数を含む各大学の現在を確認することができます。

 私立大学についての以上の大学ポートレートの記事によれば、九州の福岡に所在する私立大学において、現在、取り分けの私立大学で、すでに数年以前から、単年度新入学生数で定員割れが突然に始まり、その定員割れの最初の年度は1割減、その次の年度は、定員割れが回復したり解消したりすることはなく、定員割れは約3割減に増え、今後、短期間にさらに定員割れの割合は激増し、定員割れが進むとも想定されます。

 以上の大学は、元々とある宗教団体が宗教活動の目的達成を目指してその1つの方法としての学校教育のために開設した学校法人を自らの設置と運営の母体とし、そのことからいわゆる私立であるという点、 その際の宗教が仏教というよりもキリスト教であるという点、その本来的な大学創設目的がキリスト教の宣教や拡大と信徒の養成や育成であるという点、キリスト教という宗教の教育を大学教育の中心として行うという点、女子だけを学生として入学させ、在学させ、卒業させるという点、財政や組織と在学生や教員やその他の職員の人数などの上での規模において小規模であるという点、大学創設以来の英語圏の外国人による英会話を中心とした英語教育の優位性で地域社会にその存在それ自体と存在理由をアピールしてきたという点では共通である。

 ところが、英語圏の外国人による英会話教育の一般化が現在の日本では福岡を含む全国において進行し、英語圏の外国人による英会話教育にアドヴァンテージや新奇さがなくなり、先日のあの事件で仏教や神道ではなく、統一教会というキリスト教による宗教の災禍が露見し、キリスト教という宗教それ自体や統一教会というキリスト教の宗教団体への警戒感と不信感、男女平等社会の一般化による女子大学回避と男女共学志向の深化と進化、女子への大学教育普及に伴う授業料割高の小規模大学からの授業料割安の大規模大学への女子の指向の変化、女子学生への日本固有の国公立志向の新生や更生によって、上述の小規模私立女子大学は、今後いっそうに女子学生の入学志願者の逓減が見込まれる。

 これらは、九州に限定的ではなく、また、福岡に限ったことでもないが、福岡は多数の大学が所在し、大学間の競争が激しく、今後、短期間に、キリスト教系の小規模私立女子大学への女子学生の入学志願者数が激減し、倒産閉学が決定される未曾有のできごとが発生すると想定される。

 小規模私立女子大学の倒産閉学は何れにしろ、その在学生にとっては就職や結婚、その卒業生にとっては転職、結婚、姑や小姑との人間関係の下での家庭生活や夫君との結婚生活に不要な良くない影響を及ぼす可能性がある。

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