最近、うちの爺様が「エネファームを入れたい」と言い出して難儀しています。
東京ガスのショールームですっかり洗脳されてきたらしく、パンフレットをたくさん紙袋につめて持ち帰ってきました。
「ガスで発電するから停電時も安心」だとか「CO2を出さないから地球にやさしい」だのと、向こうの営業トークを鵜呑みにしてしまって。
もうほぼ信者と言っても良い状態です。
「頭を冷やしてよ~く考えろ」っていうのに。
結論から言っちゃうとエネファームは費用が高額過ぎてちっともエコノミーではありません。
エネファームを買うくらいなら太陽光発電を考えたほうがまだ現実的です。
抜け目ないことにパンフレットには太陽光発電とエネファームを抱き合わせたプランも載っていてました。
一般の家庭からどんだけ搾り取る気なのよ~。
太陽光発電ができるならエネファーム自体がいらないでしょうに。
それと個々の家庭レベルでCO2を出さないなんて言ってもね~。
お隣の中国とかインドとか、CO2をガンガン出している国がたくさんある現状では意味無いでしょ。
チリなんか積もったところで関の山なんですよね。
エネファームを導入したくらいで「地球温暖化の防止に貢献したつもり」と言うのはダダの自己満足って気がします。
あと停電なんて滅多にないから!
数年前の東日本大震災の時の輪番停電を思い起こす人もいるかもしれないけど、あれは数百年に一度の大震災ですから。
そうそう何度も起きませんって。
それに大規模災害時には電気だけではなくガスと水道も止まるかもしれませんよ。
それでも発電できるのかエネファーム?
で、私ら家族も爺様の持ち帰ったパンフレットを見せられたわけですが、その費用の高さに目が飛び出る思いでした。
ニャンと!
燃料電池ユニットと貯湯ユニットだけで167万でした。
(これは停電時に発電できるタイプのほう。停電時に発電できないタイプもあってこっちは7万円ほど安い。)
何この法外な金額。
税込み価格で180万超えてますよ!
しかも、別途工事費が20~30万かかるらしいです。
ただでさえこの4月から電力小売の自由化が始まって電気代が安くなるかもしれないというのに。
いまこの時期にこんな無駄な買い物をしたいという爺様の気がしれません。
とうとうボケたか? ジジイ?
お願いだから徘徊はしないでね。
国の補助金が一応あるらしいのです。それでもね~。まだ高いのよ~。
*エネファーム設置補助 2015(H27年) 民生用燃料電池導入支援事業
「補助対象機器費(税抜)-23万円」×1/2
補助対象工事費(税抜)の1/2
この合計額ってことで単純に計算すると80万近い金額になります。
それなら自己負担は100万ですむ!
なんて喜んではなりませぬ。
それでもまだまだ高いのだから。
じつは一台あたりの上限額というものがあって、
固体高分子形燃料電池(PEFC) 新築30万円、既築35万円
固体酸化物形燃料電池(SOFC) 新築35万円、既築40万円だそうです。
ちなみに固体高分子形は最近のエネファーム。固体酸化物形は旧式のエネファームってことみたいです。
うちみたいに今住んでいる家に最新のものをつける場合は35万までしか出ないみたい
補助金をもらったところでローンを組んだら総額200万を軽く超えるよね?
うちが消費している電気代の10年分くらいになります。
莫大な費用をかけてエネファームを入れたら電気代がタダになるのか? といえばサにあらず。
東京ガスのパンフレットによれば節約できる電気代は約5割だそうです。
ガスで発電するわけですから当然ガス代は余計にかかります。
電気・ガスを合わせて冬季が10%、それ以外の季節は9%の節約にしかならないそうです。
しかもこれ多分、営業用に甘く見積もった数字だと思うんですよね。
夏場のお湯をあまりつかわない季節は全然発電してくれないらしいですよ。
エネファームは電気とお湯を同時に作る機械なので、作ったお湯が余っていると発電しないみたい。
しかもこのエネファームは太陽光発電や風力発電と違って、作った電気を売ることができません。
発電による投資回収はできないのです。
それにメーカーが無償で点検と修理をしてくれるのは最初の10年間だけ。
それ以降の修理は自費で、しかも機械自体が最長で20年しか使えないとありました。
どんな機械だって10年も使えば老朽化するし、それ以上たって壊れたらまた高額な費用を投じなければなりません。
どう考えても永久に元が取れない・・・。
それと低周波の問題とかもあるし。
エネファームとかエコキュートとか。
この手のエコを売り物にする機械で忘れてはならないのが低周波。
ご近所とのトラブルは覚悟しないとなりません。
*STOP!低周波音被害
パンフレットの最後の方に「運転音について」という注意事項が有ります。
エネファームは昼夜を問わず長時間発電することがあります。
寝室に近い場所など、運転音が気になる場所への設置は極力お控えください。
ということで、自宅に設置するときは自分がうるさく感じない敷地の隅にでも置くわけです。
でも、そこは隣の家にとっては居間や寝室の近くだったりするのです。
低周波の問題は厄介で、下手をすると訴訟沙汰になるし。
メーカーを相手にしての訴訟ならまだ良いのですがね~。
じつは撤去を求めて購入した家も訴えられるのですよ。
裁判の結果はどうであれ隣近所との関係は気まずくなることでしょうね~。
地域で村八分とかは嫌だな~。