調停の待合室に暗い顔で下を向いて、
猫背でのそのそ歩くおばさんがいた。

気になった。

このおばさん大丈夫かな…

人の心配をしてる暇はないはずなのに、
私は人の心配をしてしまう。

私は自分の調停が終わり、
部屋から出る時に丁寧に挨拶をし、
そのまま出口へ。

コツコツ音を立てて、前を向きスタスタ歩いて帰る。

こんな時に下を向いてたら、子供の帰宅時間に家にいてあげれなくなってしまいそうだった。
とにかく前を向いて、子供との家に帰ろう!



しばらくすると、
さっきの暗いおばさんが前を歩いている。

やっぱり暗い…

猫背で下を向いて…のーそのーそ ゆーっくり靴を引きずって歩いている。

心配。

でも、
ここで声をかけたら、
自分の事を棚に上げた、ただのお節介焼き。
失礼になってしまうかもしれない。

おばさん、相談する人がいなかったのかもしれない…
私も5年間一人でこの問題を抱えてきた。
本当に悩んでいる事は、人には言えないもの。
誰にも言えなかった。
孤独で、何の情報もなく、前に進めなかった。
今は仕事で私にはもったいない位のご縁があり、
助けていただいている。

準備ができ、やっと前に歩き始めた。