【よ】女子高生の心境

【よりぬき日記・４】
女子高生の心境

知り合いのおじさんがニコニコしながら声をかけてきた。
「うちのアパート火事になっちゃったよ、全部黒焦げ。参っちゃうよ」

あくまで「知り合い」と言える程度の関係なので、いきなりのそんな告白はこっちも参っちゃう。
何か言葉を掛けなくてはいけない気がするが掛ける言葉が見つからない。無理もない、火事にあった人間と接するのははじめてだ。部活帰りの女子高生が、突然ドラゴンと対峙してあたふたするのと同じ心境だ。

少し自慢げに火事話を続けるおじさんの口から「外出中に火事になった」というキーワードが飛び出した。
これだっ！！このチャンスを使わない手は無い！ドラゴンと対峙した部活帰りの女子高生が、目の前に落ちている伝説の剣を見つけたのと同じ心境だ。
「ま、でも家で寝てるときじゃなくてよかったですね」

おじさんは僕の目を見ずにボソッと呟いた。
「家にいたら火事なんか起さねぇよ」

理由はわからない、正解もわからない、ただ掛ける言葉を間違えたらしいことはわかる。

伝説の剣で無事ドラゴンを倒し、そのウロコでかわいいストラップを作り一儲しようとお店を開いたら、短大の推薦を取り消された女子高生と同じ心境だ。

～おわり～


火事になったおじさんはしばらく知り合いのとこにお世話になってたらしいですが、最近また一人暮らしをはじめたようです。
前の日記まで（○年○月○日に書かれたものです）を入れてたんですが
「別にいらないんじゃないか？」
「むしろあるとなんか残念だ」
という意見をいただいたので、特別な理由がない限りは書かない方向で行こうと思います。

コメント返しに関してですが「タレントブログでは偽者防止の為、本人名義のコメントは削除される」というまことしやかな噂を耳にしました。
それならそれで一言欲しいものです。
ですから、コメント返しはこちらから失礼します。
さやさん、お近くでライブあるときは是非よろしくお願いします。

あーちゃんさん、はじめまして！末永くよろしくお願いします。