ムーブ町屋4Fハイビジョンホールにて。
米朝一門の若手、桂歌々志さんの独演会。
途中入場で二席目から。

「壷算」…3円50銭で売られている小さい瓶を3円に負けさせて、
一度買ったあとで「欲しかったのは大きな瓶だった」と返品しに
戻ってくる。大きい瓶は小さな瓶の倍の値段(7円)だというのを、
3円の倍といったら6円だと強弁し、うまく丸め込んで
価格交渉を成立させるや、支払った3円に返した瓶が3円で、
併せて6円だからと、大きい瓶を持って行ってしまう…という話。
このインチキな計算に端から違和感を抱かせてしまっては
面白くないし、かといってどこが間違ってるのか理解できなくても
笑えない。そういう意味で、語り方が難しい話なのかもしれない。
案の定、聞き終わったあとで「最初の瓶が3円で返した瓶が3円
でしょ?」と、納得いかない顔でぶつくさ言っている客がいた。

「次の御用日」…夏のお話。大店のお嬢さんが、往来で店子の
職人と出くわした。このお職人、暑いので法被を頭の上にかざして
日よけにして歩いていたが、逆光でみるととてつもない大男の
シルエットだけが見える。お嬢さんとお供の小僧は、恐いので
隠れていると、それを見つけた職人は、2人の背後からそっと
忍び寄り「あ!」と、裏声で奇声を上げた。すると、
ショックでお嬢さんは倒れ、正気を失ってしまった…。
旦那が奉行所に訴え出て、お白州が開かれるが「あ!」という
声を出した出さないで、大もめに。ことの次第を整理しようと、
何遍も「あ!」の声を出しているうちに、お奉行さんの声が
枯れてしまい「次の御用日を待て」と、いったん閉廷。
文字で書くとちっとも面白くない話だが、お白州における
原告被告奉行の3者の「あ!」の応酬が聞き所。
たいへん喉に悪そうな話。熱演の歌々志さんであった