俺は何度か黙って頷いて
彼女をギュッと抱きしめた。
彼女は
『ヨッペイちゃん、痛いよ...』
と言いながらも
俺の抱擁にさらに強い抱擁で応えた。
彼女の”最後のワガママ”を当然俺は聞き入れた。
俺にとってはそれは”ワガママ”ではなかった。
自分の気持ちに嘘がつけない
彼女の正直な気持ちだったからだ。
ホントは別れた後も彼女のことが好きで好きで
1週間もまともにご飯が食べれなくって
仕事が手につかなくって
笑うことが出来なくって...
別れてからの半年間
俺は何度友達に飲みに
連れてってもらっただろう...
何度慰めてもらっただろう...
それでも癒されることなかった俺の心は
彼女のたった一言に救われた。
逆に感謝したいのは俺の方だった。
付き合っている間、俺は彼女に気持ちに
きちんと応えられてこれただろうか...
自分の気持ちに正直でいれなかった俺に
彼女の前に立つ資格があるのだろうか...
だから今、誠実な彼女だからこそ
俺もまた誠実でいたいと思った。
そうあるべきだと思った...
