こんにちは。

平均寿命の延伸とともに、年齢を重ねても健康的で自然な若々しさを保つ

「スローエイジング(Slow-aging)」が近年の大きなトレンドとなっています。

 

肌の弾力低下やシワの改善を目指すアンチエイジング施術への関心が高まる中、

特に注目を集めているのが「糸リフト(スレッドリフト)」です。

 

医療用の糸を皮下に挿入してたるんだ組織を引き上げる糸リフトは、

切開を伴うフェイスリフト手術に比べて身体への負担が少なく、ダウンタイムも短いため、

手軽に受けられるリフティング施術として定着しています。

 

 

■ 糸リフトの基本原理:物理的な引き上げとコラーゲン生成

糸リフトは、医療用の吸収糸を皮膚の真皮下層やSMAS筋膜層に挿入し、輪郭の改善と肌組織の再生を同時に促す低侵襲な施術です。

その効果は、大きく2つのメカニズムに分かれます。

  1. 物理的な引効果 糸に刻まれた微細なトゲ(コグ)が、たるんだ軟部組織をしっかりキャッチして上方向へと引き上げます。

  2. コラーゲン生成を促す生体刺激効果 挿入された糸が体内に吸収される過程で線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。

この2つの作用が組み合わさることで、フェイスラインの引き締めだけでなく、肌全体のハリ感やキメの改善を同時に叶えることができます。

 

 

■ 30代と50代で糸リフトを変えるべき理由

広く普及した糸リフトですが、誰に対しても同じ手法を適用する画一的なアプローチは避けなければなりません。

皮膚の厚みや脂肪のつき方はもちろん、年代によって顔の老化メカニズムそのものが大きく異なるためです。

特に30代と50代では、組織の退行性変化の度合いや支持靭帯(リガメント)の弾力性に顕著な差があるため、丁寧な診察とそれに基づいた細やかなデザイン設計が欠かせません。

 

 

◆ 30代:予防的アプローチと輪郭の整えに注力

30代は初期のエイジング段階にあたり、肌自身の再生力やコラーゲン量は比較的維持されています。

しかし、重力や表情筋の影響により、徐々にフェイスラインのもたつきや口元の浅いたるみが気になり始める時期でもあります。

この段階では、組織を無理に強く引っ張るのではなく、弾力が低下した部分を軽やかに支え、フェイスラインを滑らかに整える「予防的なデザイン」が最適です。

 

 

 

 

◆ 50代:SMAS層の支持力復元と組織の再配置が必須

50代以降の肌は真皮層のコラーゲンが急激に減少し、皮膚自体が薄くなるだけでなく、組織を支える靭帯やSMAS筋膜が同時に緩んでいきます。

さらに、皮下脂肪の下降によって、深いほうれい線、マリオネットライン、口元のたるみ(ブルドッグ顔)などが複合して現れます。

この状態に対し、浅い皮膚層だけを無理に引き上げると、たるみがすぐに後戻りしたり、皮膚にひきつれ(ディンプル現象)が生じるリスクが高まります。

そのため、深部にあるSMAS層までしっかりアプローチして強固な支柱を形成し、下垂した組織を元の位置へと戻す「多次元ベクトルの立体的な再配置設計」が求められます。

 

 

■ 次世代の糸素材「アプトス(Aptos)」の特徴

糸リフトの進化に伴い、使用される素材や構造も目覚ましい進歩を遂げています。

従来広く使われてきたPDO(ポリジオキサノン)素材の糸は、安全性に優れているものの、体内での吸収期間が約6〜8ヶ月と比較的短く、持続力の面で課題が残されていました。

これに対し、近年注目されている「アプトス(Aptos)」は、PLLA(ポリ-L-乳酸)とPCL(ポリカプロラクトン)を組み合わせたハイブリッド高分子構造を採用しています。

・PLLA:強力な自己コラーゲン生成を誘導 ・PCL:柔軟性と長期的な持続力を両立

この組み合わせにより、体内で約1.5年〜2年かけて極めてゆっくりと分解・吸収されます。

さらに、糸が完全に吸収された後も、周囲に形成された自己組織のカプセル(コラーゲンネットワーク)によって、リフトアップ効果と肌のハリが長期間持続します。

 

 

■ 負担を抑えた施術と自然な仕上がり

施術方法そのものも、安全性と精度を高める方向へと進化しています。

メスによる切開は行わず、局所麻酔のもと先端が丸い特殊なカニューレを用いて挿入するため、神経や血管へのダメージを抑え、内出血や腫れといったダウンタイムを最小限に留めます。

また、アプトス独自の多方向マイクロコグ設計は、豊かな表情の動きにもしなやかにフィットします。

施術後の異物感や不自然な突っ張り感を抑え、表情を崩さず自然な美しさを実現できる点も大きな魅力です。

 

 

■ まとめ:解剖学的なバランスの復元が鍵

糸リフトは、単に皮膚を上へ引っ張り上げるだけの処置ではありません。

加齢によって崩れてしまったお顔全体の解剖学的なバランスを取り戻す、精密な医療技術です。

皮膚の厚み、たるみの進行度、

そして年代ごとの特徴を的確に見極め、

最適な糸の種類と挿入する深さを選択することこそが、安全で満足度の高い若返りへの近道となります。



本記事は、

韓国の公信力あるメディアに掲載された「延世YB美容外科」代表院長 キム・ドンジュン医師の寄稿コラムに基づいて作成されています。
実際の記事はこちらからご確認いただけます。

 

 

 

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