松村香織とGOOGLE+
GOOGLEがGOOGLE+というSNSサービスを2011年9月に一般公開して、
当時飛ぶ鳥を落とす勢いの秋元康ひきいるAKB48グループがPRを担当することになった。
(メンバーの参加は同年12月8日)
当然メンバーは全員参加することになり、
ファンもオタクもマニアもGOOGLE+、通称『ぐぐたす』に集うことになった。
ぐぐたすの魅力は投稿へのコメントが即座に反映され、
投稿者とコメントのやりとりが成立することにもあった。
当初はマネージャーの検閲が入っていたが、
それがレスポンスの遅延になってぐぐたす本来の魅力が損なわれる事態になる。
この時に、SKE48では松井玲奈が、NMB48では山本彩がメンバー達のまとめ役になって運営に対する不満を秋元康に直訴。結果として検閲が入らないという、
アイドルとしては極めて異例の措置がとられることになった。
(この物語については別の機会に)
効果はわかりやすく出た。
ぐぐたすのコメント欄はファンとメンバーのやりとりで溢れかえり、
メンバーでありながら他のメンバーのコメント欄に登場してファンと交流するコメントマスターなる猛者まで現れる。
写真投稿ができるためにアイドルらしい自撮り写真や、
取材やMV撮影でのオフショットが公開され、
ファンにとってなくてはならないツールになる予感があった。
そんな中、
マネージャーに「お前には絶対にチャンスをやらない」とまで言われた
究極の干され研究生『松村香織』の『BBQ松村香織の今夜も1コメダ』というビデオ投稿が始まる。
ハウスメンと呼ばれる寮生活の研究生で、
生活感あふれる部屋からの配信は刺激的すぎた。
アイドルの生の声と松村香織の歯に衣着せぬ言い様は、
「かおたん(松村の愛称)の動画が面白い」とSNSであっという間に広がっていく。
先輩である出口陽(家が遠いためしばしば寮泊まり)が大好きなバナナジュースづくりや、
ハヤシライスを作れば食べたいとリクエストが殺到し、
コンサート会場で配布したりSKEのカフェメニューに加わるなど話題を提供し続ける。
この動画に他のメンバーも登場するようになると
「1コメダに出たい!」という声がメンバーの間に広がり
SKEの選抜メンバーも顔を出すようになってくる。
ちなみに、選抜の金子栞は元々ハウスメンだったので最初の頃から登場。
普段は松村に対して邪険な金子がたまに松村に甘える姿は、
ファンのよからぬ妄想をかき立てる好材料になった。(笑)
いつしかむき出しだった壁に布が被せられ、
オープニングジングルを井上ヨシマサ
(AKB初のオリコン1位「RIVER」、初のミリオン「BEGINNER」等々の作曲家)が作り、
マンガ家のTNBこと田辺洋一郎がイラストを描き、
週刊プレイボーイ誌上にぐぐたす連動コラムを持ち、
GOOGLE+のCMソング『ぐぐたすの空』の選抜メンバーに選ばれるという大出世をとげる。
アップされる動画が一晩に数十万回の再生というキラーコンテンツに成長すると、
SKE48だけでなくAKB48の選抜メンバーも顔を出すようになっていく。
特筆モノは大島優子や篠田麻里子の卒業コンサートや選抜総選挙の裏側を写した動画だった。
映画で公開されるドキュメンタリーの裏側よりももう一段深く入り込んだ裏側の映像は、メンバーだけに許される景色だった。
後にAKBのドキュメンタリーを撮った高橋栄樹監督が松村の映像を使っている。
このあたりの松村香織の出世物語は別に何度か書いているので割愛。(笑)
AKBグループは新しいメディアに参入する度に新たなスターを生み出す。
755では写真集発売を賭けたファンによる投票が行われ不正投票疑惑さえ生まれた。
れなっち総選挙という加藤玲奈個人が選ぶ選抜メンバーに楽曲、MV、写真集から劇団と面白い展開もあった。
最近のSHOWROOMでは大西桃香。
AKBの別枠とでも呼ぶべきTeam8の、
2列目3列目のメンバーだった大西がSHOWROOMへの参加が許可されると
なんと毎朝午前5時30分からの連日配信を始めた。
それが話題になり通称「5時半の女」と呼ばれファンを増やした。
MCへの抜擢、写真集の発売、劇団への参加と順調に枠を拡げている。
新たなメディアが新たなスターを生み出すシステムの、
その先駆けがSKE48の松村香織だった。
長いことアイドルを見てきているが、彼女の成功パターンは過去に例を見ない。
さて、そんな松村香織がSKE48の10周年公演で卒業を発表した。
GOOGLE+がSNSからの撤退を表明した後だっただけに、
妙な符合を感じたのは私だけではないだろう。
夏までと言っていたGOOGLE+が春で終了と変更されると、
まるで合わせたように今度は松村香織の卒業コンサートが2月と発表された。
同じ時代を駆け抜けた両者のシンクロニシティが面白い。
GOOGLE+が終わってもGOOGLEは依然として世界のGOOGLEでありつづけるわけで、
同様に松村香織にも活躍の場が提供されることを期待します。
なにしろ面白いしお下品ネタもOKなんでなにとぞ。(笑)
最後に現在はブンデスリーガ関根貴大の嫁金子栞の一句で締めましょう。
『まっちゃんは ぐぐたす使って のし上がる』
