授業中、教師の口から発せられる言葉には「発問」と「指示」があります。
これらは授業が上手くいくかどうかを左右します。
発問が明確であれば、発言が活発になります。
また
指示が明確であれば、子ども達の動きがよくなります。
子ども達を動かす指示には、いくつかの原則があります。
① 一時一事の原則
子どもに指示を出す場合、同時に2つ3つ出してはいけません。
たくさん出されると、子ども達の注意が散漫になり、結局、何も行動できずにいます。
お母さんが、帰宅してきた子どもに、
「帰ってきたら、手洗い・うがいをしなさい。それから、おやつはテーブルの上にあるわよ。ちゃんと宿題をやってから遊びに行きなさい。そうそう、学校からの手紙を出してね。それとね・・・・。」
と畳みかけるように話しても、子どもは全部理解することは困難です。
同じようなことを学級でしていないでしょうか。
② 全員の原則
指示は個別に出すのではなく、全員に対して話さなくてはなりません。
そのためには、作業をいったん中断させ、全員を教師に注目させてから指示を出します。
「黒板を写せた人は、先生の方を見なさい。」
「(全員注目してから)次に・・・・」
というふうにできたことを確認した後に、次の指示を出します。
これを怠ると、
「先生、次に何するんですか?」
と何人もの子が聞きに来て、
「さっき、言ったでしょ!」
となります。
③ 簡明の原則
指示は、だらだら話していると、子どもには伝わりません。
短く限定して指示することが大切です。
これは、「一時一事の原則」「全員の原則」と併用して、1つのことを短く指示し、全員が終わったら次の指示を出します。
これを繰り返していくと、テンポのある授業に変わっていきます。
④ 間接性の原則
子どもへの指示を直接的な言葉より、間接的にな言葉で伝えた方が効果的な場合があります。
「先生の方を向いてください。」
というより
「先生におへそを向けてください。」
という指示は、有名な指示です。
歌を歌う際にも、
「熱いジャガイモをほおばるように口を開けて歌いましょう。」
と指示することで、口の開け方が変わってきます。
これは、岩下修氏が提唱した
”AさせたいならBと言え”
という原則です。
また、
「1班!静かにしなさい!」
と言うよりも
「2班の聞き方が素晴らしいです。他の班もまねしましょう。」
という間接的に指示することで、子ども達の自主性を高めます。
授業はもとより、集会、清掃、委員会などで、指示しても子ども達の動きがよくないなと感じることがあると思います。
そのようなときには、ぜひ、上記の原則を意識して、指示を出してみてください。
〈平成24年度職員室だより「Team-A」№36より〉