寝静まった部屋の中に、煌々とした月明かりが差し込む中、音も立てずに起き上がる影。
チリンと鈴の音を遠慮がちに鳴らして部屋を出る。
人影も無い夜空の下、はぁ~っと吐く息は雪玉のように真っ白で…
1ヶ月目より2ヶ月目。更に3ヶ月、そして…
こうして飛び出さなくては過ごせない程に、思いは強くなってゆく。
ヨンの苦悩。それは人知れずその身に抱える、月に一度訪れる大きな波との葛藤である。
何故月一?
それはライカンスロープ故の性とでもいおうか。
皆様はライカンスロープ、そう「人狼」と聞いた時に何を一番に連想するでしょうか。
その多くの答えの中に「満月」を上げるでしょう。
普段、人の姿をした者が、「満月の夜」になると狼の姿に変身してしまう・・・・・ではヨンも?
いえいえ、人知を超える能力を秘めてはいても、彼は決して姿を変えることはありません。
ただ、平常時よりも格段に「性欲」が高まる・・・という「絶好の繁殖期」を迎えるのが、月満ちるその日なのです。
なんだ、そんなの別に困りはしないではないか。この世は男女半々。ヨンのルックスを持ってすればより取り見取り。好きな子をお持ち帰りしてすっきりしてしまえ・・・・ってゴホンゴホン。まあ、悩む程のことはないのでは?と思われることでしょう。
実際、同種族の男どもは、そのようにして過ごすものも多いのが事実であります。
だが、ヨンはヨンであるが故の悩みがあるようで・・・・・
それは「長になりうる資質を持つ男」であったからに他ならない。
ライカンスロープは希少種族。
その血を絶やさぬ為、そしてより強固な種族を残す為、特に長には番となる女人は厳選されるという。
けれど、その厳選というのは決して、審査があるというわけではない。容姿も、家柄も関係なく、「相性」が全て。
その判断材料はと言えば、「その者を受け入れる事が出来るか」の一択だ。交わる種を本能で選別し、それに見合う相手でない限り、自己防衛本能の働きにより抱くという行為以前に、側に寄ることすら拒絶してしまうのである。
ヨンは精神、肉体共に、成熟した男勝りの時を迎えたばかり。
高麗でも、この時期は何とかして疼きを鎮めたいと願い、女人と交わりを持とうとしてはみたものの、交わるどころか側に寄るだけで嫌悪感に襲われ撃沈。
それ以来、無理に行為に挑むことはやめ、全て戦と鍛練に打ち込むことで発散してきたヨン。
ならば、何を今さら苦悩する?
そう、ヨンは今、「己の血に流れるものが、深く求める相手」に出会ったということを、本能で感じ始めているから。
ウンスとの出会いは偶然で・・・・
しかし今思えば、何故あの方だったのか。
周りに人がいなかったわけではなかったが、偶々、俺に声をかけ、世話を焼き、それに抗うことも無くついて行った。
結果、その人こそが捜し求めていた神医であったことは、まさに天の采配とばかりに縋りついたところまでは順当で・・・・
天罰なのか運命か、はたまたこれは宿命だったのか。
この地に留まれば留まる程に、勅命よりも心を占める比重が大きく膨れ上がる別な思い。
これは何なのか・・・・・
王命を全うできない後ろめたさと、このままこの地に、そしてあの方の側に居ることを望んでいる浅ましい思い。
戸惑い、抗い、蓋を閉め・・・・・
素知らぬ振りをしながら過ごしていても、毎月この夜だけは溢れ出す様に体が芯から疼きだし自制が効かなくなりそうだ。
知られてはならない。
手を出してはならない。
あのお方は、天界の人。
神と崇めし、尊いお方・・・・・・
だが、共に暮らし、同じ空気を吸い、触れあえるほど側に居て・・・・・
己の身の程を弁えなければならぬと頭では分かっていても、もう押さえつけられぬ程にあなたに溺れてる。
あなたが好きだ。
言葉に出来ぬほどに、恋い慕うこの気持ちを「愛」ということを知った。
ウンス、愛してる。
この思いを封じるように、あなたの香りが立ち込める部屋を後ろ髪を引かれながら今宵も出ていく。
はぁっと吐く息は白くたなびき夜空に吸い込まれていく。
氷輪の光が地上に降り注ぎ、月の霜を作り出す中を風のように疾走しながら、溢れる思いを遠吠えに乗せる声を響き渡たらせる。
氷のように冷たく光るアイスブルーの瞳の奥に、蒼白い恋慕の炎が燃え上がっていた。
憂いと艶を含むその声は、月魄だけが聞いていた。
今年も1月も半ばを迎えました。
そして、物語も重い腰を上げて(笑)ゆっくり始動開始です。
先日10日は成人の日でした。
こちらに訪れてくださる方の中で、ご家族様が成人を迎えられた方もいらっしゃるのかしら。
おめでとうございます♪
20年。あっという間でもあり、長くもあり・・・・
子供の成長を、改めて感じる幸せな一日となった事でしょう。
これからまた、大きく飛躍していく子供たち。
それを見守りながら、素敵な毎日を過ごされますように(⋈◍>◡<◍)。✧♡
年始め、ちらちらと、風花が舞いました。
雪の少ない私の地方。思わず「わ~♪」とテンションは上がり・・・・・
けれど、昨日の雪には驚きました。
降雪予報は出ていたものの、降っても直ぐに溶けてしまうだろう・・・程度に思っていたのに、予想外に銀世界。
それでも雪国の方には笑われてしまうほどのものでしたが。
仕事帰り、足元に細心の注意を払いながら(これ以上転ぶわけにはいかないのでwwww)やはり雪を見たくて、ちょっと裏道を通ってみたりして(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
災害が起きるほどは困るけど、この程度は本当に嬉しかったです。子供の様なはしゃぎようですけど・・・・・
寒さよりも目を奪われ、写真を撮りまくってしまいました(笑)
冬空からのギフト。
ちょっと幸せ(⋈◍>◡<◍)。✧♡
