サイボーグ侍 鑑賞記 | 北浜で暮らす主婦のブログ

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ブログのタイトルを「あしたはどんな日?」から変更しました。

大阪・北浜&堺筋本町をうろうろしています。

昨日の日記にも書きましたが、関西小劇場界の雄、伊藤えん魔氏プロデュースの「サイボーグ侍」を観てきました。
この作品は16年前に初めてかけられたもので三度目の上演です。
一見、「なんやそれ?!」という題名ですが、戦国の世に翻弄されながらも自らの「誠」の為に生きる男たちの物語です。
今日で千秋楽とのことなのでネタばれしてもいいだろうと思い、ちょっと感想などを。

あらすじ
武田信玄の軍師・山本勘助は、敵との戦いで命を落とした加藤段蔵にサイボーグ手術を施します。生きる武器として生き返った段蔵は、初めのうちは「殿の為、平和な世の中を作る為」と考え戦いに臨みますが、そのうちに大量殺戮兵器となった自らに疑問を感じるようになり山本勘助に暇乞いをします。
圧倒的な破壊力を誇る段蔵を手放したくない勘助は色々と卑劣な手を使い引き留めようとしますが、段蔵は流浪の旅へ。
戦乱の世の習いとして様々な敵との戦いを余儀なくされる段蔵ですが、その道中で徳川方の忍びの者・服部半蔵との心の交流が生まれます。
やがて勘助により自らの肉体に施された忌まわしい「仕掛け」を知った段蔵はある想いを秘め戦場へと赴きます。

と、ここまでがあらすじ。えん魔作品全てに言えることですが、
このよく練り上げられたストーリーが、観客の涙腺刺激しまくりの「かっちょいい」セリフで綴られていきます。後半では周囲から女性客の涙をこらえる声が…。と言っても何と言っても大阪の劇団ですからところどころの笑いが散りばめられ、いいむろなおきさんのマイムで観客の目を奪うなど「舞台」の魅力も満載です。

今回は大阪公演のみとのことですが、これだけの傑作ですからまた再演があるかもしれません。その時は是非ご覧になってください。