給料泥棒。 | ムニエル。

ムニエル。

医療事務歴16年、



医療事務は楽しく♪がモットー。



あなたと、いろんなお話がしたいな・・・・。



☆診療情報管理士通信教育スタート!69期生でつ '`ィ (゚д゚)/

給料泥棒、って言われたことありますか?


本当に給料を泥棒してってことではないですよ。



よく言われました・・・・。新米時代。


要は、 「 給料に値しない仕事っぷりな奴! 」ってコトですね。



涙も出ない、そのコトバ。



専門学校でてきたんだから


あんたら、それなりに仕事できないと困るでぇ~~!



上司からの、期待とプレッシャ~。



もう、本当に何度 お給料を返そうと思ったか・・・。



そう、本当に返しに行った事 あるんですよ。私。



以前もチラッと書いたけれど


レセになるとやってくる あの 針のむしろ。


日々の業務にも支障が出るくらい、


苦しい毎日。休みたくても休めない。


まして、一人暮らし、生活がかかっているから


逃げることもできない。





それで、ある日ものすんごい胃痛で


動けなくなっちやったんです。外来中に。



当時、新人のなかでも私を含めた3人は

外来担当として配属され


もちまえの キャラで外来看護婦さんや薬局さんに

可愛がっていただく存在でした。


むしろ、直属の上司より、面倒を見てくださってた方々。


そのため、相棒たちは上司に報告する前に

看護婦さんに助けを求めた。


看護婦さんはすぐに飛んできてくれて


急遽診察を受けることになったのです。




トイレひとつ、レントゲンひとつ取りに行くにも


外来カウンターを越えるときは 上司の許可が要るような


そんな 牢獄状態で運び出された私。



お願いだから上司に一言言わせてと泣いて頼んでも

看護婦さんは 許さない。


事務所に帰ったら怖いから、と泣く私。



痛くて泣いてるのか、怖くて泣いてるかわかんなくて


もう、鼻水もずるずる。



当時消化器内科担当で部長だった F先生が

診察室におられ、すぐに胃カメラを、と判断。



私は事務所に電話して許可をもらわないと・・・と言うと


先生が黙って受話器を取り



「 あ~、内科のFだけど。医事課長いる?


 もしもし、あのね君とこの新米さん。


 いま、僕の部屋にいるから。え?胃カメラするから。


 は?今しなあかんねん。至急ですよ。なにいってるん?


 本人?痛みで動けない状態。顔色も悪いよ。


 電話に?君がここに来なさい。あ ひどくなるから


 やめたほうがいいね。


 ここ最近、外来でも受付を通ると


 あの新米3人の中で誰が倒れるかってウワサになってるの


 君は把握してないの? 後は事務局長と院長と相談するから 」




ガチャ。




私の手をとり 看護婦さんはよしよし頭をなで続ける。


F先生は 点滴の針を刺しながら 優しい目をしている。




私は点滴のせいなのか とても落ち着いて 


涙もとまり、眠くなってきた。



その後の胃カメラで のっぴきならない状態を宣告され


仕事を休むように指示をうけたのです。



( ですがたった1日しか 休めませんでしたが~ )




それで・・・。


「  給料泥棒! 」  の  話。


翌日出勤した際



びっくりするくらいの 沈黙の事務所内。



ぼそり・・・・と話す 医事課長の口から出た言葉が・・・。



「 あ、あんた そんなに働いてたか・・・・? 」




↑ この上司、体調不良で休んだことも無いらしい・・・。




昼休み中考えに考えて



意を決して あの面接でオーラを出していた



局長の ところへ・・・。



1週間前に振り込まれた 給料明細を持って。




「 おお! どうした。飯はくったか? 」



「 はい、有難うございます・・・・。あのお話がありまして・・・。 」


「 お~、お~、何や? そやお前、胃カメラのんだそうやんか。


 ワシの出張中に 何があったんか言うてみ・・・・ 」



思わずその言葉に 涙が出て・・・・。



よしよし 頭をなでながら 局長は微笑んでくれました。


そう、私が 言うまでは。




「 局長、私勝手に体調を崩して、医事科にご迷惑をかけてしまって、


  本当に申し訳ないと思っています。それで、それに値する

 

  仕事ができなかったので、これ今月はお返しさせてください 」





ば、ばかも~~~ん!


( ゚Д゚)ヴォケ!!か お前は。ドアホ!


誰が そんなことせえって いったんや?


誰が 教えたんや?


それに お前は自分のした仕事に 自信が無いのか?


精一杯仕事してなかったのか?


給料を返す、ということは 


お前は自分のした仕事に対して


誇りもなく、使命も無く やってきましたと


評価をくだすのか?


仕事がどうであれ、結果がどうであれ


その給料は ワシらのお前に対する評価と


投資や!


よ~~く 覚えとけ!



給料日が来れば

当たり前に 銀行へ行き お金を下ろし


一月分の食事を手に入れ

公共料金を払い家賃を払い

電車の定期を買い


ああ、今月はいくら残ったと そんな生活だった私。



「 お前への 評価と投資 」


そう言われて なんておオバカだったんだと・・・。




その日を境に


もう、 「 給料泥棒 」とは言われなくなりました。



私は私の仕事に対する姿勢を

見つけたのです。



今でも、肝に銘じています。



「 自分に対する評価だけでなく


  投資が含まれた お給料をもらっているんだ 」




みなさん、給料日 


一度 こう思って 仕事をした自分を ほめてみませんか・・・・・?