昔、山によく登ってて、今や病気で登れなくなった情けない者が、次世代の山登りする人のために、あった方がいい、こうしたほうがいいと思うことをまとめてみました。あくまでも私見ですので、その点はご了承ください。

忘れ物があったら、適宜つぎ足します。

 

山の天気は運しだい。手袋はウールのモノを選ぼう。軍手をつけている人もいるが、雨に当たったらぐしょぐしょになって冷たい。靴下も濡れた時を考えてウールがいい。それから雨具はしっかりしたものを選ぼう。今は湿気を外に放出する優れモノがたくさん出てるのでこれがいい。また、寒い時は防寒具にもなる。ポンチョ(軽雨具)は歩いているときに枝に触れて破れたり、風が強い時はあおられたりするので高山ではやめた方がいい。

それから、靴も革製がいい。沢を渡っていくときもあるので、軽登山靴では水がしみてくる。今はしみないものもあるのかも。

靴ヒモはしっかり結ぼう。上りの時はまだいいが、下りの時は靴の中で足が暴れて、マメができたり、爪を痛める原因になる。また、靴ヒモは予備を持っていくこと。切れたとき予備がないとそれこそ降りれなくなる。

 

ザックは、山での滞在日数と、小屋泊まりかテントかによって大きさが異なる。背中のカーブやフィット感がメーカーによって微妙に違うので、店員と相談してお店で実際に背負ってみるとよい。雨天用のザックカバーも必要。ちなみに私はフランス製のLAFUMAが一番フィットした。詰めるときは、下にシュラフなど軽いものを、上に水筒など重いものを入れる。そうしないと歩くときバランスが悪くなる。

 

登山の途中、木の枝や岩に頭をぶつけることもあるので、帽子は必携。寒い時期はウールもいいが、夏は木綿でできたものがいい。とっさに汗拭きにもなる。汗止めのバンダナも要。早朝立ちを考えて、防水性のヘッドランプも準備しよう。テント内にぶら下げれば照明にもなる。下着も今は速乾性のモノや寒い時用にヒートテックなどもあって、昔に比べれば恵まれている。コンパスも必携だったが、今はアプリがあって楽だ。今はルート探索もやってくれるとのこと。うらやましい限り。

 

テントは以前と比べても軽いし、建てるのも簡単。人数にあったものをよく行くグループで一つ買えばよい。グループが変わってもそれを借りていけばいい。シュラフ(寝袋)は、シュラフカバーも買っとけば、ダウンの3シーズン用でほぼ大丈夫。ロールマットも忘れずに。水筒は、私は2Lの白い四角のプラ製を長く使っていたが、今は形が変わる便利なものがあるようだ。またウエストポーチは是非付けて行こう。財布や地図など取り出すとき何かと便利。防水だと更にいい。

 

雪渓を歩くときなどは、4本か6本歯の軽アイゼン、サングラスも必携。天気がいい時は反射で目をやられることがある。雪や小石が靴に入り込まないようにスパッツも。めったに使わないピッケルは高いので使う時だけ借りてきた。また日焼けするのでリップクリームも忘れずに。

 

調理用のストーブ(シングルバーナー)は白ガソリンのモノもあるが、私は簡単なLPガスをお勧めする。但し、白ガスの方がコストがはるかに安い。今は小さなボンベでランタンにもなる優れものが出ていると聞く。ナイフ(マルチツール)は非常に役に立つので是非とも一つ。別にお箸とスプーンぐらいは、軽いので持って行った方がいい。鍋にも食器にもなるコッヘルも必携。調理のために軍手は1つあったほうがいい。ウールは焦げる。ステンレスのコップも是非。水場でのどを潤すときにすぐに飲める。テント場周りで動くときサンダルがあると更に便利。

 

次は消耗品。数枚のタオルはもちろん、意外に便利なのがトイレットペーパー。ティッシュはすぐになくなる。芯を抜いて潰してビニールに入れておく。主食は軽くするためにフリーズドライがお勧め。チョコレートや飴、カロリーメイトなどの行動食も忘れずに。ちなみに脂肪を溶かすウーロン茶は、バテる原因となる?ので私はお勧めしない。

 

低山の時のお勧めは保温袋。夏は冷たい飲み物を入れて持って登る。ちなみに、私がよくやっていたのは前日の夜ビールやジュースを凍らせて持っていく。翌日頂上に着いたころちょうど溶けて最高にうまい。但し、凍らせ過ぎに注意。さあ飲もうとしたとき、凍って出ないと最悪!

 

それから、当たり前だが地図とガイドブックは必携。万一のことを考えて、救急バンソウコウ、消毒薬、健康保険証のコピーもあった方がいい。最後にビニール袋は絶対持っていく。濡れた衣類を持って帰る時にも使うし、ゴミ袋としても使える。山に残していいのは足跡だけ!出たごみは必ず全部持って帰ろう。

 

山は、初めは装備にお金がかかるが、最初の1回だけであとは何年も使える。いいものを買っておいた方がいい。お試しで行くときは、まずは仲間の装備を借りていくか、今はレンタルもある。高山はナメてかかると危険だ。万一遭難したら、捜索隊の費用なんかで何百万もかかるのが山だ。ちなみに海の遭難はタダ。私は釣りはやらないので、理不尽な気はするがそれが山なのだ。やらない人からは、「何でそんなきつい目、危険な目をしてまでも登るのか?」とよく言われるが、登り切ったときの爽快感、天気に恵まれた時の景色は、実際登った者でないとわからない。それがあるからこそ山はやめられないのだ。