現場のお客さんで水性が良いのか、溶剤が良いのか聞かれる事がよくあります。今回は、水性塗料と溶剤塗料の違いについて説明します。
塗り替え時の塗料選びの参考にしてみてください。
### 1. 主成分の違い
- **水性塗料**: 水が主な溶媒であり、塗料の成分を水に溶かしています。
- **溶剤塗料**: 有機溶剤（例：トルエン、キシレン）が主な溶媒であり、塗料の成分を有機溶剤に溶かしています。
### 2. 環境および健康への影響
- **水性塗料**: 有害な揮発性有機化合物（VOC）の排出が少なく、環境および健康への影響が低いです。室内作業や住宅塗装に適しています。
- **溶剤塗料**: VOCの排出が多く、健康への影響（例えば、呼吸器への影響や皮膚刺激）が大きいです。作業時には換気が必要です。
### 3. 乾燥時間
- **水性塗料**: 乾燥が速く、一般に湿度や気温の影響を受けにくいです。
ただし湿度が高いと固まりません。
- **溶剤塗料**: 乾燥が遅く、気温や湿度の影響を受けやすいです。特に寒冷や高湿度の環境では乾燥が遅れることがあります。
### 4. 耐久性と性能
- **水性塗料**: 最近の技術革新により耐久性が向上していますが、特定の用途では溶剤塗料ほどの耐久性がない場合もあります。
- **溶剤塗料**: 耐久性や耐摩耗性が高く、特に厳しい環境条件（例えば、屋外や工業用途）に適しています。
### 5. 塗装作業の容易さ
- **水性塗料**: 水で希釈できるため、塗装用具の洗浄が容易です。また、臭いが少ないため作業が快適です。
- **溶剤塗料**: 有機溶剤での希釈や洗浄が必要で、臭いが強いため、適切な換気や防護具が必要です。
### 6. 価格
- **水性塗料**: 一般に溶剤塗料よりも安価であり、初期コストが低いことが多いです。
- **溶剤塗料**: 特定の高性能溶剤塗料は高価になることがあります。
### まとめ
選択する際は、塗装する対象や環境、求められる性能、作業条件を考慮に入れることが重要です。例えば、室内や住宅の塗装には水性塗料が推奨され、工業用途や屋外での耐久性が求められる場合には溶剤塗料が適していることが多いです。