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将棋指しの高校生の桐山零くんが、その棋力ゆえに苦しみながら、それでもその将棋に賭ける気持ち、将棋の冷徹な勝負の決まるという残酷さの中でどうしても勝ちたいという気持ちがまさにライオン。でもそれゆえに、失った家族、預かってくれた棋士の家で棋力が強すぎてその一家を壊してしまい、それゆえに一人暮らしと高校生活を始めるものの、やはり心は癒えない。しかしそれをすくってくれたあかりさんという女性たち。その家でもまたそこには両親がいない。
あちこち欠けながらも、あかりさんの母性とセンス、その妹たちの明るさ。
棋士仲間の二階堂くんを初めとした面白い先輩棋士たち。
それに癒されていく零くん。しかしはなしはそんなに簡単ではない。壊れた家の義姉がつきまとったり。
そしてそれまでトントン拍子に進んできた零くんがついに棋力に限界を感じたとき、今度は将棋の研究会に誘われる。
そこでであった島田というA級の棋士のやさしさと、勝負の厳しさ。
紹介が下手で済まないけど、でもこれだけ込み入った感じなのに、するする読めてしかもヘビー級の重み。
台詞も一つ一つが磨きぬかれている。
演出は向田邦子を思わせるものもあれば、着実に著者の前作ハチクロからの遺伝子としてのギャグも入る。しかもそのギャグがちゃんと進化して学生生活ではなく、棋士生活の話になっているところもすごい。
爆笑して、共感して涙して。
買って損なし。すごい。
ちなみに将棋のルールの解説もあって、これがまた力作。将棋のコマを猫で表現しているところもすごい。
さらに奇想もあり(穴熊であんなとか)、じつにすばらしい。将棋の議論まで導かれてしまう。
ほんと、私が説明してもぜんぜんダメ。とにかく読んで! すごいから。ほんとうに!
すごす!
思うに、これはヱヴァンゲリヲンとか、ヒカルの碁とかで提示されたアニメマンガの歴史における「次の一手」としての位置づけになりうると私は確信するのです。家族、子供、現代。それぞれを描いている著者の問題意識の深さが、上質な本当のギャグマンガ+シリアスマンガという形に昇華されている。すでにもう傑作の域です。
まさに買って読んで損なし。今出ている啓発書みたいなものがいかにつまらないかを思わせるほど、今や私のいろいろな人生における気概、気持ち、決心を導いてくれているほどのすごいマンガです。まさに考え方の中枢に至る本。
サイバラ先生、羽海野チカ先生、そして小飼弾さん。ここ数日、この3人にものすごく助けられてます。
いい本は、面白い以上に、人を助けるんだなと思います。
すごい。
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ありがとう、素晴らしい本たち。
こういう本って、メディアがどうなろうとも、なんの影響もなく支持され続ける名作だと思います。
でも、ひとつだけ懸念が。羽海野チカさん、お体大丈夫でしょうか。
こんな重いパンチを連発して、読む方は圧倒された上に楽しいけど、それを繰り出す著者の心中がどれほどのものか、ひしひしとわかってしまうので、ちょっと心配です。端くれ末等自営業でも、そのことを感じます。
元気で続きを書き続けてください。楽しみ以上に楽しみにしております。
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