新ラウンジカーを作る | モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん

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■計画編

 新ラウンジカーの要目。

 まずすでにあるラウンジカーがソファタイプであったので、新ラウンジカーは全席お座敷であることが頭に浮かびました。

 しかしお座敷という和風では編成全体に調和しない。

 そこでカーペット車にして、中央をステージコーナーにすることに。

 窓も超大窓を計画。

 デザイン的にも工夫をいろいろ考える。

■新ラウンジカーを作る・着手

 図面検討が終わったので、種車に手を入れる。

 すっかり分解する。オハネフぐらいだったら問題なく分解できる。とくに種車のオハネフは新集電なので、大昔の車体と屋根が分離するのではなく、シャーシと屋根を含む車体で分離するタイプ。ということはかんたんにぱちんと分解できる。
 ちなみに北斗星増結用なのでテールランプなどの基盤はありません。

 切断。

 大窓などはバッサリ車体にノコで切れ込みを入れる。ぴったりにせず、余裕を持たせて小さめに切断し、アートナイフでさらに切削して調整。

 独立した天窓はピンバイスでいくつも穴をあけて、穴と穴の間をアートナイフで切っていく展開。

 車体の強度はどんどん下がっていく。ここでバキッと折ったらおしまいなので、無理せず、手技をつかって加工して行く。

 そして窓埋め。窓を種車の窓ガラスパーツがはまっている方向から薄いプラシートでまず窓を塞ぎ、そのふさがった窓にぴったりのプラシート片で埋める。
 当然ピタ窓ではないので段差ができるが、そこは瞬間接着剤を使って塞ぐ。

 そして大体落ち着いたところでサーフェーサーを吹いてチェック。

 それでへこんでいたラッカーパテで埋める。

 ちなみに窓の加工点は、オハネフ25の中で16枚窓があるうち、

 窓4つ=天井までの大窓化
 窓4つ=天井もないクリアドーム化
 窓4つ=埋めて丸窓・長円窓に変更

 ということになります。


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IMG_0162 posted by (C)YONEDEN



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IMG_0163 posted by (C)YONEDEN



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IMG_0164 posted by (C)YONEDEN



■新ラウンジカーを作る・内装作成
 乾燥を待ちながら内装を作る。
 内装はタイルカーペットの市松模様にしたかったので、それをインクスケープ(フリーのデザインソフト)で作る。
 そして印刷。インクジェットプリンタでフォト紙に印刷する。これでカーペット部は終了。
 ステージ部など内装はそれっぽくプラシートでまとめる。
 それっぽくといいながら、ここはクルーズトレインのパーティー用のパウダールームに、などと内装を考えながら作ると楽しい。
 床板と内装板のうち、種車の内装板は台車固定ビスのところを残してバッサリ切断。これで寝台は撤去完了。
 そこに内装板のカーペット部を1ミリ厚のプラシートで置き換え、そこにさらに通路とカーペットを施工。
 らくらくの作業です。

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IMG_0161 posted by (C)YONEDEN


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■新ラウンジカーを作る・塗装編
 ピースコンを久しぶりに使って難儀する。

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 ぶどう色2号がぜんぜん近所に売っていないので、かなり昔買ったぶどう色2号の瓶入り塗料を使うのだが、どうにもタール状にドロドロになっていてハンドピースの中で詰まる。


 結局うすめ液でハンドピースを分解して洗って、再組み立てして一度うすめ液を吹いて、吹きながらうすめ液に瓶入り塗料を足して塗装濃度にして塗装する方法を使った。間違っているかもしれないけどこれしか方法がなかった。

 でも、それのおかげで前作EH510よりもうまく塗装できた感じ。塗膜もすごく精密。

 嬉しい誤算です。

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IMG_0168 posted by (C)YONEDEN IMG_0171
IMG_0171 posted by (C)YONEDEN  この仕上がりを見ていると、とても缶スプレーには戻れません。

 これ、もっと修業しよう。

■新ラウンジカーを作る・マスキングを剥がす。
 剥がれました。少し漏れましたが、屋根色自身が後で明るすぎたために、訂正塗りをしました。

■新ラウンジカーを作る・窓を貼る。
 これはクリアファイルという病院なんかで処方箋を運ぶのに使っているビニールシートと、透明プラスティックと、それと既存の種車の窓の3種類を使い分けます。

 大窓など曲げが必要な窓はビニールを使います。専用の接着剤があり、それで接着します。そしてその接着面に黒いテープを貼って締めます。曲げても白くなったり割れたりしない柔軟な素材なので、使い易いですが、接着が難しいのが注意点です。
 透明プラスティクは丸窓・長円窓などに使います。これはピタ窓になるように削っていきます。しかし厚みがないシートを使わなければならないので、都合上窓枠の外側に接着します。
 そして既存種車窓は車掌室や方向幕などに使います。これは接着にはプラシート用接着剤を面相筆で流し込みます。
 これでいちおうノッペラボーですが車体にはなりました。

■新ラウンジカーを作る・レタリングを入れる。
 白い文字を入れたいのですが、うちにはOKI製などの昇華型プリンタがなく、作れるのは白い背景に色を載せ、その上に保護膜を貼るおうちデカールを使うしかないです。
 そのため、地色は透過するのを諦め、色をあわせて地色を真似て印刷します。

 地色の部分はいいのですが、本当の余白は白枠になってしまうので、それは固着後に剥がすことにしました。でもかなり難儀です。ちょっと傷がついたり汚くなりますが、それはタッチアップでなんとかします。

 これでなんとかできました。

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■新ラウンジカーを作る・ほぼ終了

 夜間走行時にクリアドーム部が物凄く目立ってアクセントになります。
 また、13両と長編成にも関わらずEH510での引き出しに悪影響がありません。

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 で、完成。

■■ジュエルボックス・オブ・コースト(オハフ25ー1000)

 ブラウンコーストエクスプレスの旅をよりいっそう自由に、くつろげるように、新たな空間として、本年度このラウンジカーを建造しました。

 このラウンジカーは丸窓や喫茶店のようなドアが楽しいエクステリア、国内最大級のクリアドームのもとで月を、星を見上げ、空を見上げながら、思い思いにくつろげるぬくもりがありながら洗練され快適なカーペットフロアに、最新の映像表示装置とステージ、そしてお手洗いには本格的なパウダールームをそなえます。

 鉄道クルーズの間、ゆったりと、落ち着いたやすらぎを得られる新しいフラットラウンジスタイル。それがこの「ジュエルボックス・オブ・コースト」でのひとときです。

 みなさん、この車輌を加えたブラウンコーストエクスプレスの快適な旅を楽しみください。



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