クリスマスイブ深夜 | モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん

モデラー推理・SF作家米田淳一の公式サイト・なければ作ればいいじゃん

流浪のプログレSF小説家・米田淳一の公式ブログ

 明石家サンタをユキさんと二人で見ながら原稿仕事。

 2008/12/24 2:44に発:編集さん 宛:うちでメールが届き、作業中。

 で、プリンセスプラスティック第1シーズン・早川刊行分がダイナミックアークで完了するのだけど、そこからウェブプレミアで販売した続き、第2シーズンの作業が始まっている。
 挿絵は引き続きかわせさんでお願いしています。押忍!

 そして、プリンセスプラスティックの最終話、エンジェルスティアの作業も。



 で、意外とTBS東条英機ドラマがよかったのでびっくり。

 東条英機ドラマ。ドキュメンタリー部分は要らないと思う。でも、出来は私的には結果的に押しである。
 
 ようやく戦争を振返る番組で安易な「戦争の悲惨さを訴える」構造から、日本人論に行き着いた感じである。
 会議室ドラマであったが、それが渋くていい。配役も重厚。まさか統帥権問題とか皇道派・統制派の話までドラマになるとは。さらに軍部内の下克上まで。実に感慨深い。
 そして、メディアについての視点も。TBSだからできた自己否定と思いたい。
 誰もが相手を信じられず、誰もが相手にそれなりの責任感があるだろうと買いかぶり、両方で空気が作られ、いつのまにか事実を積み上げても絶対に届くことのない真実や正義という言葉で流れが作られる。
 だいたいにおいて、盧溝橋に事実だの何だのというのがありえるのか。事実認定しようにもそれはすでに現場保全もできずにすべてが風化してしまうし、相手は洗脳という技術の発明国である。あとは政治の場に持ち込まれ、声の大きいほうが量で圧倒するだけになってしまった。
 歴史の議論というものは、往々にしてむなしい。歴史はどうやっても変わらないし、ハイネは「人間が歴史から学ぶことは、人間は歴史から何も学ばないということだ」につながる。
 歴史認識が一致するなんてことは絶対にありえない。それはどうやっても個人の問題だからだ。それを一致させるというのは洗脳以外ありえない。
 しかし、歴史にはそれぞれの言い分がありながら、それを超えて互いを認め合うことのできるものだ。互いに一致する点を求め、一致しなければ未来に預けてもいいではないか。
 もともとジョージソロスの再帰性理論では、均衡パラダイムはもはや役立たないと喝破されている。歴史をさらに政治で騒いで、騒ぎきっても結局均衡はありえないのだ。
 産経新聞もその点では朝日新聞の鏡像のように、同様に言葉の力を見誤っている。
 正しい歴史認識など、そんなものはありえない。ただできることは、さまざまな認識を提示しあい、一人一人が考えることだ。
 
 でも、野村萬斎の先帝陛下、実にかっこいい。先帝陛下は実は烈しい人であった。だからこそ、あのとき苦渋したのだ。
 
 平成の世になり、今見れば、あるわあるわ旧陸海軍のような本当の命題そっちのけで権限拡大と出世だけを目的に事実さえも曲げるさまざまな人々がわんさといる。

 テーマは何だったのかという人もいるようだが、終わったあとのTBSニュースで現在の社会を報道したのがものすごい皮肉になっていてびっくりした。
 できれば原田眞人にメガホンを取って硬派に映画化を期待したいぐらい。

 お気づきの人は多いと思うけど、映画:金融腐食列島[呪縛]のテイストは私の鳴門君パートの狙いたい色である。ああいうのが好き。

 
金融腐蝕列島 呪縛 [DVD]
¥3,469
Amazon.co.jp

官僚たちの夏 (新潮文庫)/城山 三郎
¥580
Amazon.co.jp

 ここら辺好き。

 ちなみに鳴門くんの親戚に防空巡洋艦・綾瀬の和泉艦長がいるらしい。とりあえずwikiにもまとめます。