ひょんなことから、入社2年目の若手と話す機会が増えて、驚いたことがある。彼は一人暮らしであるが、なんとテレビを持たない。テレビが唯一の娯楽であったオヤジ世代からすると、ウソーとのけぞってしまう。スマホとPCに、Amazon PrimeやらNetflixがあれば十分だという。まさにインターネットがもたらす、所有からサービスへの変化を実感。

 

そして、音楽もストリーミングサービス、いわゆるサブスク(定額会員制)が広がりつつある。昨年の音楽配信市場では、売上がダウンロード約200億円に対し、ストリーミングが約600億円と大差がついてます。ちなみに小生が固執するCD等が約1,900億円と、意外に健闘しているように見えますが、20年前からは1/3以下に激減しているんですね。

 

さて、そんな変化の中、とりあげるアルバムが、今年2月リリースされたAwesome City Club (オーサム)のGrower。1曲目、ブレークした「勿忘(わすれな)」、これストリーミング再生回数1億回超えだそうです。サブスクだとアーティスト側取り分1曲1円として1億円以上、やったね、オーサム。小生も始めて聴いたのが「勿忘」、男性ボーカルatagiの声質とメロディ、永野亮のトラック構成が印象的。そのatagiのよさが、よりひきたつ楽曲が、4曲目「ceremony」。心地良い声が、いい感じにグルーヴする一押し曲です。

 

 

日本のインディーズシーンもトラックメイクは相当進化しているけど、ボーカルがいまひとつのグループが多い。そうなると歌のうまさはさておき、atagiのごとく声質とグルーブ感が差別化のポイントのような気がします。

 

そして、アルバムの特徴としては、楽曲毎にプロデューサーが異なるところ。永野亮は「勿忘」の1曲のみなんです。注目は、ESME MORI (エズミ・モリ)、2曲目「tamayura」と8曲目「Fractal」のトラックを担当。よりR&Bを感じるビートメイクがオーサムのツインボーカルと、うまくマッチしています。久々によく考えられた構成のアルバム、移籍したAvexの底力も感じます。