出産翌日のこと
目覚めると、隣に赤ちゃんが寝ている。
まっさらな赤ちゃん。
私から生まれてきた赤ちゃん。
何も知らないようで
何でも知っているようなその存在は、
すごく不思議な感じがしました。
私はこの時の喜びの中に感じた
大きな不安を
よく覚えています。
この子が生きる90年なり100年なり、
その時代が、幸せな時代でありますように。
苦しみや、理不尽な戦争などに巻き込まれることのないよう、
穏かに幸せに生きられますように。
でも、、
一人だけが幸せなんて、ありえない。
社会が幸せでなくてはいけないし
世界が幸せでなくてはいけない。
汚れていく土や海、
貧困、紛争、
問題を挙げればきりがない。
ゆがんだ社会に生まれてくれたこのまっさらな赤ちゃんに
私は何ができるのだろう。
大きななにかに立ち向かう必要があるのではないか。
迫りくる見えない不穏な手から
この純粋無垢な赤ちゃんを守る義務が、
私にはあるんじゃないか。
でもいったい、何をすればいいのだろう。
私になにができる?!
•
そんな風に感じて
途方に暮れてしまったのです。
赤ちゃんの体重などを計ってもらいます。
先生に赤ちゃんを診ていてもらう間に、
私はシャワーをお借りします。
一般的な、家庭用の浴室で
先生の家に泊まりに来たみたいな感覚です。
赤ちゃんは健康的で
私の産後の経過も良く、
母乳も順調に出ているようで
おっぱいマッサージをしてもらうと母乳のしぶきが吹き飛びました。
そして
助産所で出産してよかったと思ったことの大きな一つでもあるのだけれど、
3度のお食事が美味しいことといったら!!
メイン、お野菜の小鉢、ご飯にお味噌汁という
家庭的な和食のお料理が
趣のある器に盛られていて
付き添いの旦那さんと一緒にいただく食事が
毎回とっても楽しみでした。
私は一番最初、
助産所のホームページにあった助産師さんお手製だというお料理のお写真を見て
「このような美味しそうなお料理を作られる先生は、信頼できるに違いない」
そう思ってお電話をしたのでした。
美味しいと思うものが似ていると、
その他の選択基準についても似ている気がして、
私のぼんやりと理想とするお産を理解してくださるだろうと思ったのです
大正解でしたね!
•
検診と、美味しいお食事。
それ以外の時間はずっと赤ちゃんと同じ布団の上にいるので
時々母乳をあげて、布おむつが汚れていないか気にかけて。
その合間に、親や親せきたちが来てくれたりして
昼間は結構忙しいんですよね。
でも、
赤ちゃんを抱くおじいちゃんや、おばあちゃんや、みんなが
本当に幸せそうで。
嬉しそうで。。。
そんなみんなをみるのが私もすごく嬉しかったです。