出産体験記。 いよいよクライマックスか | 満ち満ちる

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人生の目的は、喜びだ!

 


自分の世界に入り込む。

断片的に助産師さんたちの声が聞こえる。
なにかサポートをしてくれているのがわかる。

自分の感覚だけがその時空間にある。


限界の先の、

 

極限の先に、

 

やっとその瞬間が訪れた。
 

 

どぅるん!!


苦しい痛みから一気に解放され

 

安堵感に包まれたと同時に、


素早く胸の上にうつ伏せにのせてもらった赤ちゃんは、

想像していたよりどっしりと重たく、

 

柔らかく、あたたかく、

 

生きてくれていた。




私の胸の上でじっとしている。

 

互いに、何かを感じている。

 

自分の肌が、誰かと触れ合う ぬくもり。

 

その感触。

 

包まれる安心感。

 



隣で主人もTシャツを脱いでお布団に仰向けに寝て、


助産師さんに赤ちゃんを移動させてもらって胸に抱いた。


赤ちゃんが泣いたのは

その移動のために持ち上げられた時だけで、


あとはただ静かに、じっと、感じていた。

隣で「ありがとう」と、涙ぐむ主人を見て、

おもわず私も涙がこぼれる。

こんなにも、あたたかい気持ちになることがあるのだと

こんなにも、幸せな気持ちになることがあるのだと

私はその時、初めて知った。

自分にも、できた、という
自信と、安堵。

自分の肌と赤ちゃんの肌とがくっつく感覚は
安心でしかなかった。

しばらくして

助産師さんがお粥と梅干しを持ってきてくださった。

ちょうどその日はサッカーのワールドカップの試合があって、

ひとしきり感動を味わった私たちは

和室のテレビで賑やかに観戦したのだった。

その日、赤ちゃんとの初めての夜、

お布団を並べて敷いてもらって、3人で川の字で寝た。

なんとも満たされた気持ちだった。