豆腐と納豆とハトと信号 | とあるプラスチック加工メーカーの品質保証部ではたらく男のブログ

豆腐と納豆とハトと信号

「モノと呼び名の関係は、必然的なものはなく恣意的なものなんだぜ」

(byソシュール)


こう見えてオイラ、学生の頃の専門は「英語学」。

でもバイト漬けだったからだいぶ中途半端だったわ。


それでもたまに出た授業では、

オイラの「チテキコウキシン」をくすぐるものもあった。

1年生の頃に受けた、「英語学概論」。


ハト。

あの、よく電線にとまってたり、公園で地べたにペタっとしてるハト。


彼らは生まれながらにして「ハト」じゃない。

「いやぁ、遅れてごめん!まいったよ。さっきさぁ、木の下を通りかかったら糞かけられてさぁ。ほら、アレ。あのその辺でよく見かけるこんぐらいの大きさで空飛ぶ生き物いるじゃん。え?いや、ちがうちがう。体は灰色で首は紫っていうか青っていうか光っててその、ホロッホーって変な声で鳴く、そうそう!アレ!わかる?!かわいいよね、アレ。って言うかかわいいんだけどアレに服汚されたから着替えなくちゃだったんだよ。」って言うのが大変だから、「アレハト」と呼ぶことにした。


なんで「ハト」?

「知らね。根拠なんてねーよ。」

そう。「アレ」でも「ハト」でもなんでもよかった。

呼び名とモノには関係はないのよ。



えー、なんの話ってぇと、呼び名。

先日、上司先輩と飲みに行った。相変わらずね。

会社近くの小さな田舎料理屋。


イカ納豆を食べてた上司が一言。

「なぁ。あのさぁ。納豆って呼び方、おかしいと思わないか?」


・・・。

まぁ、酔っ払いの話なんだけど。



「ねぇ、納豆っておかしいよね?そう思うでしょ?」

「・・・。なんでです?(;´ω`)」

「だってさ、納豆って腐ってんでしょ?豆が腐ってんでしょ?

だったら納豆は『豆腐』だろ?『納める豆』ってことは、昔は偉い人に『豆を納めてた』んでしょ?」

「あー、『腐った豆』はエライ人には失礼ですね。」

「でしょお?そうだよ。失礼だよ。だからさ、『ナットウ』は『豆腐』だよ『ト・ウ・フ』。ね?」

「ね?って言われても・・・。じゃあ『トウフ』の立場はどうなるんです?」

「オマエ、『トーフ』はおいしいじゃん。上品でしょ?偉い人に納めるんだから

『トーフ』は『納豆』って呼ばなきゃいけないんだよ。『ナットウ』ね?」





今になって思えば実にくだらないやりとり・・・。


しかし、ソシュールが悩みに悩み抜いたテーマが

町の小さい秋田料理屋で出くわしたことに、

オイラは感銘を覚えてしまったわけで。


いや、ソシュールが納豆とか豆腐とか云々じゃなくて、

たとえば信号機の「青・赤・黄」。

あの「青」だけど、「あれって緑じゃね?」とか思いながらも

やっぱり「青信号」って言う。








納豆と豆腐の呼び名。

そもそも漢字の読みに由来するから、

コトバの意味は漢字の意味が入り口になるんじゃない?

と、誰かに突っ込まれる前にここでやめとこうっと。



酔っ払い上司の一言で

頭の中がグルグルグルグル回りっぱなし。

しばらくひきずるぞ。