最高のドキドキと不快感を与えてくれる素晴らしい本でした…!
しばらくは読後のモヤモヤな余韻に浸っていられそう。胸が落ち着かない!
この本を手に取るきっかけになったのは、中目黒ブックセンターという書店で行われていた「夏のホラー祭り」という催し。
手に取った私ナイス!お勧めしてくれたこの書店マーベラス!
「春にして君を離れ」では幽霊も出ないし人も死なない、奇怪な事件が起きるわけでもありません。
「じゃあ何処がホラー?」と思うだろうけど、この本、ある意味「呪いの書」とも言えるのです!人間にかけられた呪いをとても読みやすく書いている。
一部…いや個人的にはもっともっと大多数の人にとって、ゾッとする内容に違いない!
特に、いわゆる「毒親」に育てられた子供、また将来そうなるのではないかと感じている人、
広く言ってしまえば家族・人間関係に悩める人
に是非一度は読んでもらいたい作品。
以下、あらすじです。
主人公ジェーンはそれなりに豊かな生活を送る、ちょっとセレブな奥様。
ジェーンは遠くに嫁いだ娘が病にかかったと聞きつけ、バクダッドまで駆けつける。話しはその帰り道、学生時代の旧友と偶然出会うことから始まる。
自らを「人生の勝ち組」と感じているジェーンは落ちぶれた(※ジェーンにとっては)旧友を見下している。
ジェーンは会話の中で「自分のことで知らないことなんてあるかしら?」と言う。
一人になり、さてロンドンに帰ろうというところで、悪天候のため砂漠の駅で足止めを食らってしまう。
サービスのよくない宿には、インド人のオーナーと手伝いの少年。外にいるのは鶏…。ろくに会話ができる人がおらず、あまりにも暇な時間…。ジェーンは自らについて考え始める。
「私」は私が思っているような人間だろうか?
友人にはどう思われている?そして密接に長い時間関わる家族にはどう思われているのだろう?
その答えを知る事がいいことなのかはわからない。だって「知らない方が幸せだってこともある」んだから。
ただただ広い砂漠で、自分が誰だかわからなくなる。砂のようにサラサラと流れていく今までの自分…そのことへの恐怖。それをこんなにも軽く読みやすい文で表すアガサクリスティに脱帽…そして敬礼。
読後感は決していいとは言えませんが、私はこの本を読んでよかったと思います。
これからも、何か悩むたびに手に取る本になるでしょう。ただただ広い砂漠で、自分が誰だかわからなくなる。砂のようにサラサラと流れていく今までの自分…そのことへの恐怖。それをこんなにも軽く読みやすい文で表すアガサクリスティに脱帽…そして敬礼。
読後感は決していいとは言えませんが、私はこの本を読んでよかったと思います。
しかし栗本薫さんの解説が「ああ!そうそう」と手を打ちまくりの納得具合で感心しきりだった。
作家さんは言葉の選び方が上手だなぁ。「苦い感動」まさにぴったり。
早速親が貸してほしいと言うので読ませているが、これが原因で家庭が揉めたらどうしようと今私は戦々恐々としています(笑)
