ずいぶん以前に読んだ本です。

ビリー・レッツ

『ビート・オブ・ハート』

詳細は覚えていませんでしたが、スーパーマーケットに置き去りにされた妊娠中の少女のイメージは鮮明に記憶に残っています。

今回この記事のために読み直してみました。

お気に入りの本用の本棚に入れてあったのですが、読むのは久しぶりです。

新しい本が次々に出版されるので・・・・・・

17歳の少女ノヴァリーは、恋人のウィリー・ジャックとカリフォルニアに向かうのですが、

その途中、オクラホマ州のセコイアという町のウォルマートに置いていかれてしまします。

ウィリーは妊娠7ヶ月のノヴァリーを捨てたのでした。

途方にくれたノヴァリーはウォルマートの中で暮らし始めます。

なぜそんなことができるのか?

もちろん許可を取ってというわけではありません。

閉店間際に電気を消したままのトイレに隠れて、全ての従業員がいなくなるのを待つのです。

そしてやがて、彼女はウォルマートの中で女の子を出産します。

町の図書館員、フォーニィの助けを借りて・・・

その後、善意で贈られたお金を実の母親、かつてノヴァリーを置き去りにして恋人と駆け落ちした母親に持ち逃げされたりするのですが、町の人々の協力で職を得、家を得て、赤ちゃんを育てあげていきます。

町の人々の善意とノヴァリーのひたむきさ、

彼らの交流が、この物語の核です。

ノヴァリーはセコイアの町で初めて本当の恋をし、子供を育て、自身も成長していきます。

ウォルマート。

彼女の歴史の始まる場所。

愛を見出し、かつて自分を捨てた相手に許しを与えるラストシーンはちょっと泣けます。

お気に入りの本棚に入っていただけあって好きな一冊でした。

ビリー レッツ, Billie Letts, 松本 剛史
ビート・オブ・ハート