ドキュメンタリーっていうより自伝かなー?


植村直己著 『青春を山に賭けて』


数年前、冬山に行ってから山関連の本に興味を持って、この本も買いました。

冒険家、植村直己さんの青春の記録です。


昭和16年生まれ。

終戦の年ですね。


大学生のときに山岳部に入って山の魅力に取り付かれ、ヨーロッパアルプスを夢見て日本を脱出したのが昭和64年の5月。バイトで貯めた4万円と仲間の使い古しの山道具を入れたザックがひとつ。それだけの持ち物で移民船「アルゼンチナ丸」に乗り込みアメリカ合衆国をめざしたそうです。

最終的な目的地はヨーロッパですが、その時点で買えた切符はアメリカまでの片道切符だけでした。


海外旅行が自由化されたとはいえ、当時円ドルのレートは360円、アメリカまでの船賃は片道10万円だったといいます。今なら1ヶ月まじめにバイトをすれば飛行機で行けますね。


その後、南米を経てヨーロッパにわたり、五大陸最高峰を踏破することになります。


日本からの旅立ちそのものが冒険の始まりであった植村さん。

未知の世界を求めて彼の好奇心は生涯とどまることがありませんでした。


目標を達成するためにいかに努力し、自制したかということも書いてあります。

求めて努力する人間に道は開かれる。

そういったことを自らの人生で証明してみせた、すばらしい冒険家の記録です。


植村 直己
青春を山に賭けて