私が父親に会ったのは長い人生で1度だけ
大人の中で育ち それが普通だと思っていて
世界には父親と母親 祖父に祖母
血縁関係者が存在することを知らなかった
父親の悪口を聞いて育ったが 逆に父親の存在が気になっていた
自分という存在のルーツみたいなものが知りたかった
多分その気持ちが強くなったのは小学生の高学年
それまで自分の血液型を知らなかったのだが
何気なく調べたことで気持ちが強くなった
ある程度の人は経験があるんじゃないかな?
「橋の下で拾ってきた子供」「貰われてきた子供」
私は親によく言われていたが 心の中で
「この人は自分の親じゃない」
そう思っていたし そうであってほしかった
何度も何度も願った事だった
母親が私の血液型を「多分××型」と言っていたが
違う「△△型」だったことで気持ちが加速した
ものすごく「父親」の存在が自分の中の大半を占めていた
そこから3年位?して会う事ができたのだが
父親とはじめて会って食事をして話しをただけ
(母親も一緒)
待ち焦がれた父親と会えて想像が物体として現れ
(本当に父親が存在するんだと不思議な感覚だった)
会っても取り留めのない話しをして終わった
別れる時に私たちの乗る電車のホームまで来てくれて電車のドアが閉まったときに涙が溢れてきて…もう会うことはないと何故かそう感じて訳が分からない寂しさがあった
電車の外を見ながら泣いた事を覚えてる
「わたし」という人間を必要とした人はどこにもいなかった事で何処かに行きたいと考えてた
漠然とだけど…「わたしの行く場所がない」
それがわかった事で自分自身が壊れていくきっかけになったんだろうとおもう