2016年2月に敗血症の定義が改訂されました。
今後のバイタルサインの所で出てくるので、改訂前と後の事について書いておこうかと
思います。今回はSIRSと改訂前の敗血症についてです。
【改訂前の敗血症】
感染症に起因する全身症状を伴った症候(SIRS)
SIRSとは?(サーズと読みます)
全身性炎症反応症候群と言われ、生体が手術、外傷や熱傷、 あるいは感染症など何らかの
侵襲を受けた時に、心拍出量増加、血管収縮、高血糖といった生体が自らを守るために
起こす正常な生体反応の事を言います。
なので、一過性のSIRSというのは、色々な病気や手術の際にごく普通にみられますし、侵襲
が去れば、数日で解消します。通常3日以内に消退するとみられています。
ストレスや侵襲を受けると生体は、全身的反応を起こすと共ににサイトカインという細胞間で
情報を伝え合う物資が分泌されます。サイトカインは一般的には生体の恒常性、安定性を
保つための多様な調節を行っています。その中には、侵襲時の生体反応に深く関係している
炎症性サイトカインがあります。 これらの炎症性サイトカインは、発熱や倦怠感といった全身
症状(いわゆるインフルエンザ様症状) を引き起こすと共に、好中球(細菌などの異物を処理
し、生体を外敵から防ぐ働きをしています)を活性化するなど、 全身性炎症反応を亢進させて
いきます。 これが多量に分泌されると全身性炎症症状が激化し、ついには多臓器障害や
ショックなどの重い状態に陥ることもあります。
このように、高度のサイトカイン血症、「サイトカイン・ストーム」は、侵襲に対する防御反応の
範囲を超えて、生体に障害を引き起こすのです。 SIRSは、いわばこの過剰な生体反応、
サイトカ イン・ストームをチェックする指標なのです。
(参考文献)
敗血症.COM
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