体温の異常には、高体温と低体温があります。
 
<高体温>

高熱の場合、常に考えるべきは敗血症です(心拍(洞性頻脈①)を参照)。

 

また、超高熱(41.5℃以上)では、頻呼吸が見られます。一つは熱を呼吸により放散させる

 

目的で、熱中症や悪性高熱・甲状腺機能亢進症による高体温によるものです。

 

もう一つは敗血症で、ショックに至った後の嫌気性代謝から代謝性アシドーシスによる

 

クスマウル呼吸もあるが、早期でもサイトカインなどの炎症物質が血管透過性を亢進し、

 

血管周囲に浮腫状変化を起こすことから、肺にまで全身炎症が及ぶことで急性呼吸窮迫

 

症候群(ARDS)を惹起することで頻呼吸となります。危険な発熱(敗血症を疑う条件)と血液

 

培養をとる基準を以下に示します。
 

ポイント
敗血症を疑うサイン

〇呼吸速迫(呼吸回数≧30 回/分)・SpO2<90%

〇乏尿

〇意識レベル低下
 
血液培養を取るべきサイン 

〇症状;38.5℃以上を伴う悪寒戦慄

〇CBC;WBC≧12000 か≦4000

〇状況:抗生剤点滴静注前

〇先手を打つ;敗血症を疑うサイン 
 
発熱と心拍の関係で、注意すべき事があります。 糖尿病患者と透析患者患が感染徴候を

 

伴った場合、体温は低めに出るため、実測体温より 1 度上昇させて考えます。

 

これらの患者はいずれも好中球機能低下による免疫不全状態のため、敗血症には常に注意

 

が必要です。


糖尿病患者と透析患者では、感染症の発熱を捉えにくいので注意が必要である。


微熱でも常に敗血症を考え、他のサインとの併読を心がけるようにしましょう。

 
(参考文献)