リズムが不整な呼吸パターンは呼吸中枢の障害を引き起こす病態を考えます。
異常なリズムの呼吸は 3 種類ある。チェーンストークス呼吸・群発呼吸・失調呼吸(ビオー 呼吸)です。
それぞれ大脳皮質から基底核・脳低動脈領域である橋や延髄損傷・延髄内側部損傷による。
特にチェーンストークス呼吸は脳の広い範囲の障害であり、その原因は全身性の疾患(大脳
の循環不全・大脳の低酸素・高BUN血症)をまず考えます。
そのような原因疾患がなく、高齢者などで大脳の委縮が強ければ、生理的に見られることも
多いです。
失調呼吸(ビオー呼吸)は延髄背内側の障害で見られます。
この呼吸は呼吸回数・リズム・ 深さが全て不規則であり、呼吸を意識させないで放置すると
呼吸停止してしま うため、特に急性期では補助換気を考慮するべきです。一般診療でこの
障害を見るとすればパーキンソン病やシャイ・ドレーガー症候群などの神経変成疾患や延髄
梗塞(脳幹障害が延髄に至った場合を含む)です。
心因性過換気(パニック発作、過呼吸発作)も呼吸数・リズム・深さが全て不規則であり、
クスマウル呼吸、心肺疾患の頻呼吸と誤診されます。身体的な病態からの過換気と心因性
過換気を見分ける簡便な方法があります。 息こらえを指示した際に、過換気発作が治まら無
ければ心因性、息こらえが出来れば、身体的な病態です。
心因性過換気と身体的過換気は、息こらえができるかどうかで判別できます
(参考文献)
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