頻呼吸には様々なパターンがああります。規則正しいものとリズムの異常があるものです

 

規則正しい頻呼吸のタイプ

〇規則正しい頻呼吸は

 浅速呼吸(一回換気量が小さい)か

 Kussmaul 呼吸(一回 換気量が大きい)を考えます

〇発熱を伴えば敗血症を考慮する

 


 
浅く速い呼吸は、肺胞病変を示唆する所見です。

 

低酸素血症に至らずとも、 急性肺炎・肺水腫で見られます。

 

また、肺胞病変ではありませんが、肺塞栓も考えておく 必要があります。

 

Kussmaul 呼吸は代謝性アシドーシスで見られる大呼吸である(代謝性アシドーシスは、呼吸

 

以外の原因で体が酸性に傾きすぎてしまった病態です)

 

この呼吸の一回換気量増大は会話の最中にする息継ぎが証拠となります

その代表が糖尿病性ケトアシドーシ ス (DKA)やアルコール性ケトアシドーシス (AKA) です。

【DKA】

糖尿病の人が体のエネルギー源である糖が正常に代謝できなくなると、体はエネルギー不足になります。代わりに、体に蓄積しているたんぱく質や脂質を分解してエネルギーを産生します。 たんぱく質や脂質を分解する際に、副産物として「ケトン体」という物質が産生されます。ケトン体が増えると血液が酸性に傾き(通常は、弱アルカリ性)、糖尿病性ケトアシドーシスが発症します

 

【AKA】

酒を飲むと、膵臓が一時的にインスリンを作るのを止めることがあります。長期間過度な飲酒を続けると、インスリンが作られなくなり食べ物からとった糖を細胞が取り込めなくなって、エネルギー不足なります。代わりに、体に蓄積しているたんぱく質や脂質を分解してエネルギーを産生します。 たんぱく質や脂質を分解する際に、副産物として「ケトン体」という物質が産生されます。ケトン体が増えると血液が酸性に傾き(通常は、弱アルカリ性)、アルコール性ケトアシドーシスが発症します

 

敗血症では呼吸回数が上昇することがあります。

 

血液中に免疫システムが感染と闘うためにつくる物質であるサイトカインや、細菌がつくる

 

毒素などの炎症物質が血管透過性を亢進させ、血管周囲に浮腫状変化を起こします。

 

肺にまで全身炎症が及ぶことで肺胞にひどい浮腫を起こし頻呼吸となります。

 

頻呼吸の発熱患者がいれば敗血症を疑い、更なる詳細な診察をするべきです。

 

参考文献