ここまでカテコラミンで影響を受けるバイタル
サインについてお話してきました。
説明を読むのも飽きてくると思ったので、
今までの内容を踏まえて、今回は私の働いてい
る病棟で最近、実際にあった症例を元に、
皆さんに患者さんの病態を把握してもらいたい
と思います。
症例:78歳 男性
主訴:意識障害
既往歴:糖尿病(インスリン使用中)、慢性腎不全(透析なし)、左ラクナ梗塞
現病歴:3週間前、転倒により左大腿遠位骨幹
部骨折にて観血的整復固定術を行い、リハビリ
継続中。患肢に荷重制限があってトイレなどの
移動は車椅子介助で移動していた。食前に血糖
測定をしており血糖値は100後半で経過し、
夕食は全量摂取していた。21時にナースコール
あってトイレへ移動し有形便が多量にあり。
その後、車椅子にて自室へ移動。ベットへ戻ろ
うと立位を促すもうまく立てず脱力し意識レベ
ル低下あり。担当ナースはナースコールにて
応援を呼び本人をベットへ戻し当直Drへコール
をした。
バイタルサイン
血圧:66/36mmHg、心拍数:39回/分(整)、
SPO2は測定できず、GCS:9点 E2V2M5、
体温:35.7℃(腋窩温)、尿・便失禁あり
身体所見
全身:冷汗著名。口唇・手指末梢はチアノーゼあり
瞳孔:瞳孔不同なく対光反射あり、瞳孔径4mm
上記の点を踏まえて、以下の点を考えてみて下さい
①問題点を列挙する
②バイタルサインの異常を列挙し、生理学的に解釈する
③臨床推論を展開し、必要な検査を考える