高いビルの屋上に立って
下を見下ろす私
ビュゥビュウと
風が耳元で唸っている
洋服もバタバタと
ちぎれそうなくらい
波打っている
足を踏ん張っていないと
煽られて
バランスを崩しそうだ
目の前には青い空
雲ひとつない
私の大好きな
青い空
私の大好きな場所
一歩
踏み出しさえすれば
その青に
身を委ねられるのに
風を孕んだ洋服は
持っていない翼のようで
私を
あの世界に連れて行ってくれる
一歩踏み出せば
戻ることはできない
ふと
今までやって来た
いくつもの後悔が
蘇る
ここから先は
後悔すらない世界
リセットどころか
何にもなくなる
この青い空が好きだということも
この青い空に同化したいということも
この青い空を感じたいということも
全部なくなる
青い空への誘惑は
もう少し先にのばそうか
きっと
まだ味わってない感情が
私の中にある
全部
味わい尽くしてからでも
いいんじゃない?