単なる野球マンガじゃなかった。

Major―Dramatic baseball comic (1) (少年サンデーコミックス)
満田 拓也

Major―Dramatic baseball comic (1) (少年サンデーコミックス)
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読もうかなと思ったときには既に結構な巻数が出ていたので
読むのを躊躇っていたんだけど、やっぱり人気作品でした!!
面白かった~!!

努力と根性、仲間との絆、家族との絆、全てが楽しめるマンガ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆ あらすじ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

プロ野球選手の父を持つ吾郎は野球が大好きな野球少年。
自分もプロ野球選手になるのが夢。

何よりもまず目の前の"野球"に全力で取り組む吾郎。
その情熱で周囲を巻き込みながら、一歩一歩成長していく。

幼稚園時代から始まり、小学校、中学校、高校、メジャーへと
常に困難が付きまとう、吾郎の野球人生のすべて。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



単なる野球マンガだと思って読み始めたら
幼稚園編からして度肝を退かれました。

めっちゃ泣けて、マンキツで鼻を静かにすすりながら読んだ。
特に吾郎家の家族愛には泣かされる事が多かったなぁ。

また、吾郎の野球はもうムチャばかりする野球なんですよね。
野球の才能を持つ吾郎は、強いチームに勝ちたいという思いが
強いので、吾郎在籍のチームはいつも大して強くない。

だから投手である吾郎は人一倍頑張らなきゃいけないし、
ケガしても、将来の為に今は我慢するなんて事はまずしない。
目の前のバッターを打ち取る事がいつでも一番大切。
たとえ再起不能になって野球ができなくなろうとも、
今諦めたら絶対後悔する!という考えで、常にハラハラさせる。

そんなふうにムチャばかりしてるので、体の故障もかなり多く、
野球が出来なくなるかもと、追い詰められることもあるけれど、
でもやっぱり好きだから、どうにか野球がしたいと、また始める。
そんな、"やっぱり野球が大好きな吾郎"に会えると、
見ているほうは嬉しくなっちゃうんですね。


ウィキによるとこの漫画は「逆境は乗り越えられる」というのが
主要テーマの一つらしいので、確かに辛い事が多い。
でも吾郎の明るさに助けられるので、決して暗くなることはない。

吾郎は何度も何度も困難にぶち当たる。
自信満々なゆえに、挫折し落ち込み、反省する事も多々ある。
だけど周りの人の支えや協力を受け、絶対にまた立ち上がる。
不屈の精神で、目の前の壁を何度でも何度でも越える。

それでこそ"吾郎"だと思うし、これこそ「MAJOR」だと思える。



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読み始めたときは吾郎の幸薄さにかなり泣かされた。
母親もいないのに、おとさん死んじゃうとか何~!って思った。

残された吾郎と桃子先生のことが気になって仕方がなくて、
元気に生活していても、ふとした時におとさんを亡くした悲しみが
蘇る姿が辛かった。
おとさんって始めの数巻しか登場しないのに
最後までとても大きくて偉大な存在なんだよね。

そして、悲しみを抱えて頑張る親子を支える茂野パパも素敵。
親友の息子を自分の息子としてかわいがるという以上に
吾郎に父親として愛されたいって感じが、なんか可愛いかった。
吾郎は本当にいいパパとママに出会えたなぁと思う。


おとさんの死は吾郎や桃子や茂野パパに大きな影を落とした。
でもそれだけじゃなくて、原因を作ってしまったギブソン本人や
その息子のギブソンJr.にまで影を落とす。
当たり前のことだけど、過失であっても加害者側の気持ちも
やっぱりどうしたって救われないものがある。

ギブソンJr.はずっと吾郎が父を憎んでると思っていたけど
吾郎は別にギブソンを恨んでなくて、むしろおとさんに代わって
目標だと言った時、どれほどびっくりしただろう。

自分さえ嫌っている父親の事なのに
普通なら、過失だとわかっても恨んでしまうのが人というもの。
だけど二人は長い年月をかけて、その関係を変化させてきた。
その変化はやっぱり一朝一夕で出来るものではなくて
吾郎が子供から大人へ成長していくということも大切だったし
その中で、ギブソンがずっと最前線で野球を続けていくことが
とても大切だった。

会って話をする機会なんてほとんどないんだけど
吾郎とギブソンの関係はかなり好きでした。
生きてれば、変えられない関係なんてないんだよなと思わせる。

そして、こうなる事がわかっていたかのように、ギブソンに
すごい選手でいて欲しいと望んだ桃子って凄いなぁ。



吾郎は、野球をする仲間探しから始める事がある。
野球に全く興味がない人やむしろ野球が嫌いな人まで集めて
とにかく野球をやらせてしまう。

すごく強引なところが吾郎らしくもあるけど、反発もある。
でも吾郎はそれほどに、とにかく野球が好きなんですよね。
そこまでなりふり構わず好きなことって、なかなかない。
だから皆、吾郎の必死さに驚きながらも、徐々に興味を抱く。

そして、吾郎の才能に魅せられ、感化されるように
いつの間にか自分たちでも、一生懸命になっている。

一度一生懸命にさせられれば、吾郎の勝ちですよね。
一生懸命さの心地よさや、上達の喜びを知れば
止められなくなって、どんどん野球が好きになる。
そして、強いチームに勝ちたいと思う。

また、吾郎の才能にも魅せられているので、
才能のある吾郎を勝たせたい、もっと投げさせたい
吾郎が勝つところが見たい!という気持ちも後押しする。

最終的には皆がすごく一生懸命野球をやっていて
野球が大好きになっている。

根本には、仲間と楽しく身体を動かしたら楽しいよね、という
すごく明るいメッセージがあって、
それがこの漫画の楽しさや魅力の一つなんだと思う。


あとはなんと言っても清水。
清水、大好き。特に小学生時代の清水が好き。
負けず嫌いで、根性があって、運動オンチなのに
そこらへんの男の子よりも断然かっこよかった。
徐々に乙女チックになっていく清水もかわいかったけどね。

清水の弟も、生意気だけどかわいくてツボ。
野球をやらせても小生意気で可愛いんだけど、
姉の恋愛に口出しして成就させちゃうとこも生意気です。


寿くんのキャラもかなり好きだった。
他の友達は吾郎に憧れている部分が多かったけど、
寿くんは憧れよりもライバル心が強くて、対等な感じで、
ライバルなんだけど、幼馴染感もあって、特別な存在だった。

だけど相手チームとしてあたることが多かったので、
もっとガッツリと吾郎とバッテリー組むところが見たかったなぁ。



この「メジャー」のアニメはNHKで第6シーズンまで放送されて
ほとんど最終回までしっかりと放送されている事にびっくり。

確かに自分に子供がいたら読ませたいマンガの一つかも。
家族愛も友情も努力も、いっぺんに学べる素敵なマンガです。