夏になると思い出す、永遠の名作。
タッチ - あだち充
◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆ あらすじ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
双子の兄弟、達也と和也。そしてお隣に住む同級生の南。
3人は生まれたときからいつも一緒に仲良く過ごしてきたが
思春期に差しかかると、3人の関係に少しずつ変化が訪れる。
弟・和也は「甲子園に連れて行って」という南の夢をかなえる為
野球部でエースとして日々努力を続ける優等生だった。
また、美人の南とは学校公認のカップルのようでもあった。
そんな二人を一歩離れた目線で見守る出来損ないの兄・達也。
しかし甲子園予選決勝の日、和也は事故にあい帰らぬ人に。
悲しみと戸惑いの中、達也は先輩の強い勧めで野球部に入り
亡き和也の代わりにエースとして甲子園を目指すことになる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夏休みになると「タッチ」のアニメがよくやってたなと思います。
子供の頃から見ていて内容は知っていたけど
改めて原作を読むとアニメとはイメージが違うなぁと思う。
やっぱり一番好きなのはタッちゃんでした。
いつも飄々とした態度でいるんだけど、その顔の裏に実は
誰にも見せない痛みや悩みを抱えていたりする。
そのギャップがめちゃくちゃいいよね!(〃∇〃)
南は昔は好きだったけど、今はあんまり好きじゃないかな☆
だって悪びれなくタッちゃんとカッちゃんの二人に自分の夢を
叶えさせようなんて、やっぱりちょっと悪女でしょ。
でも、二人に激しく尽くしたりするわけじゃなく
ただ自分を磨いて、自分の魅力のみで二人を虜にするんだから
何にも言えないですね・・・。
ただただ嫉妬するだけです。
まさに、完璧な女性なんでしょう。
あだち充のキャラクターはあまり感情的になることがなく
強い感情が表情に表れることもないので
物語はけっこうたんたんと進んでいくんだけど
ふとした時に現れる感情にグッと胸を締め付けられるんだよな。
とにかく”間”とか”構図”とかが上手いのかな。
カッちゃんが亡くなるまでの序章も
3人の優しくて切ないやり取りがすごくいいです。
だからこそ、カッちゃんというスパイスが本当によく効いていて
物語全体をずっと優しくて切ないオーラが包んでいるんだろな。
生きているなら一生に一度は読んでおきたい素敵な物語です。
そして最近、ゲッサンでタッチの続編「MIX」スタートですね!
まだ読んでないのですが「タッチ」から26年後、再び明星学園で
兄弟を囲んでのトライアングルが展開されるということ!
超楽しみです!
早く読みたいという気持ちもあるんだけど
あだち充の漫画は一気に読んだ方が面白いよなと思ったりも。
でも月刊連載だから、終わるのがだいぶ先だと考えると
我慢できずに読んじゃうね。
7月号には1話が再掲載されてるので、1,2話が読めるみたい。
要チェックですね!!
「タッチ」とは”バトンタッチ”の意でしたが
「MIX」とはどういう意味があるんでしょうね。
きっと意味があると思います。今からとっても楽しみ~♪
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「タッチ」というとタッちゃんと南、というイメージが強いのだけど
私的にはタッちゃんとカッちゃんの兄弟の絆を感じた時が
一番胸にこみ上げるものがあったと思う。
二人はライバルだけど、兄弟だから、双子だからこその尊敬や
嫉妬や、なによりもふか~い愛情があった。
誰よりも相手の事を分かっていたし、想っていたと思う。
カッちゃんは南が好きで、南はタッちゃんが好きだったろうけど
タッちゃんが一番大切にしていたのはカッちゃんだったと思う。
だからこそ、皆がカッちゃんの死を自分らなりに消化していく中
誰よりも最後までカッちゃんを想い、先に進めないでいた。
カッちゃんが生きていたら吐き出すことの出来た怒りや悲しみ。
それすらできなくなったカッちゃんを思うと、苦しくなってしまう。
生きている自分がカッちゃんに責められているような。
カッちゃんが生きていたら、怒ったりしなかったと思うけど
答えがないから、どうしたってそんな考えも浮かんでしまう。
せめて良かったというべきなのか、悔やまれるというべきなのか
カッちゃんの事故が、3人で自分たちの気持ちをさらけ出して
未来に訪れるだろう決断の日に向けて「お互いに頑張ろう」と
誓い合った矢先だったということ。
あの時の3人のキャッチボールの場面がとても印象的です。
それぞれの気持ちをみんなで共有し、尊重する。
決して同じ望みではないのに、皆希望に満ちたいい顔をしてた。
ずっとこうしたかったって感じで、スタートラインに立った感じ。
すごく爽やかで、3人ともすごく好きだなぁと感じた場面だった。
あの時の3人には、未来にいくらでも時間があったのになぁ・・・。
原田君もまた好きだったな~。独特の雰囲気があって。
3人以外であの頃に南がタッちゃんを好きだと気づいたのは
彼くらいだったんじゃないかな。
タッちゃんの友達として、また南を好きな一人の男として
タッちゃんのことをたきつけるようなことをよく言ってくれてたね。
その原田君も言っていたように、タッちゃんのライバルって
永遠にカッちゃんなんだよね。
他の誰が出てきても、カッちゃん以上のライバルにはなれない。
新田君ですら、結局タッちゃんのライバルになれてなかった。
だから、タッちゃんと南の関係を危機的状況に陥らせる事が
出来る人っていうのがいなかったね。
タッちゃんと南があまりにお互いを知りすぎて、分かりすぎて
そいういったやきもきする感じは足りなかったかもしれない。
ライバルがいないってのは南にも言える。
最後にタッちゃんが気持ちを確かめる為に登場したアイドル。
彼女なんかじゃ全然南のライバルにはなり得ないだよね。
読んでいる時にすごく違和感があったなー。
だけど、タッちゃんには言い訳として必要だったのかもね。
自分に対してだったり、カッちゃんに対してだったり。
何か乗り越えて、南にたどり着きたかったのかな。
それくらい、南への告白って言うのは
タッちゃんにとって大変な事だったということなんだろうな。
「南のことが本気で好きなんだ」と言って
ずっと努力し続けたカッちゃんへの想いを振り切って
更に強い想いだって確信がないと言えない言葉だから。
「タッチ」はタッちゃんと南の話であることに間違いはないけど
優しい優しい兄弟の話だった気もするなー。
でも読んでた時はもちろんタッちゃんと南の幸せを望んだし
二人が幸せな結末で、本当に大満足。
読み終わったときの満足感はなんとも言えません。
機会があったら何度も読みたい作品です。
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