なかなか悩みのつきない宿ですが、更なる事件が追い打ちをかけます。
お昼ご飯を食べる際に、共用の家なので子供たちに「扉をしめて来てね」とお願いしたところ、
次男が鍵を回した状態(かけた状態)で扉を閉めてしまったのです。
お部屋の唯一の鍵も(スペアキー)も、スマホもタブレットもパソコンも、荷物の殆どすべてを部屋に残した状態で。
チーン!
と、局面が積みに入った音が脳内に響きました。
まじか。。。。
まじか。。。。
まさか、鍵をかけた状態でパタンと閉まるタイプのドアだったとは。
鍵は一つだけ。渡されたときに「よく注意して管理するように」と言われたばかり。
電子デバイスがないってことは、助けは呼べない。
半地下室の窓は防犯のためすべてはめ込み式で、外からは全くあかない。
部屋の隣のボイラー室の窓も同様。
あ~!!
積んでいる・・・
子供たちが得意げに
「針金さえあれば大丈夫だよ♪」
みたいなことを言っているのが、うっとおしい。
そんなのアニメか漫画の世界だけに決まっている。
普段ならあどけなくて可愛い発想も、うるさいとしか感じられないこの切羽詰まった状況。
お父ちゃんは夜まで帰らない。そもそも、お父ちゃんにとってもここは初めてくる外国。
母子3人で、解決のために祈りました。
これはもう近くにいる人に助けを求めるしかないと思い、いつもこの家でリモートワークをしている中国人の男性に状況を説明して助けを求めました(ララちゃんパパと呼んでいます)。
あまり英語が得意ではない方でしたが、状況を理解して下さり、お友達の鍵開け業者に電話をかけてくれました。
「100ドルかかるよ?」と言われ、ララちゃんパパがララちゃんを学校にお迎えに行っている小1時間ほど試行錯誤しながら考えましたが、どう考えても業者に頼まなければいけない状況。そして、業者を調べるためのPCも電話するためのスマホも閉じられたお部屋の中なのでほかに手はありません。
業者さんは30分ちょっとで来てくれ、3つの秘密道具をカチャカチャと駆使して、ものの3分くらいで扉を開けてくれました。
すごい!
そしてこんな方たちが泥棒さんになったら怖い!
ララちゃんパパが笑顔で「95ドルって言っておいたからね」と、値引き交渉をしてくれたことを教えてくれ、現金のみ領収書なしを条件に95ドル払いました。持っててよかった現金!
去年トロントに行った時も思いましたが、バンクーバーに来てから日本よりずっと電子決済が進んでいることを実感しています。「現金お断り」のお店も多い中で、この鍵開け業者さんは現金のみ・・・と。
海外旅行保険でカバーされるかもと思い、領収書をお願いしたのですが、「そうすると税金の関係で5%値上がりするよ」と言われました。
色々憶測はできるものの、深く考えるのはやめました。
いいんです、もう。
今日、貴重品を取り戻して、家族みんなで安心してお部屋の中で眠れればそれでいいんです。
ララちゃんパパは親切な方で、まるで管理人さんのように接してくれていました。
初めてチェックインするときに、電子ロックの玄関扉の開錠方法がわからず困っていたら、内側から開けてくれたり、部屋が寒過ぎたら暖房のスイッチを教えてにきてくれたりと「何かあったら言ってね」と声をかけてくれていたのです。というか、メールでオーナーに苦情を言うと、この方が現れて対処してくれるので、管理人さんかオーナーの家族かと思っていたら、長期滞在者とのこと。
ララという7歳くらいの娘さんと2人でこの安宿に暮らしています。1年間の滞在予定で、ララちゃんのママは中国で働いていて、夏休みだけカナダで合流するそうです。
はじめは時差ぼけと旅疲れが残る中、この中国人男性と一緒に台所を共用で使うのは嫌だなぁという思いがあったのですが、この鍵騒ぎでぐっと距離が近づきました。
ここまででカナダ到着3日目。
これにSIMカードが使えないというトラブルがかぶり、試練はまだまだ続きます。