お母ちゃんの周りには、親族やママ友を含めて、いわゆる海外駐在員妻が20名ほどいる。

 

現在も駐在で海外にいる人もいれば、既に日本に帰国した人もいるが、お付き合いをしていて気づいたことがある。

 

全員が全員というわけではないのだが、

 

「○○にいた時は良かった。楽しかった。日本の××がつらい。○○に戻りたい。」

 

と、海外暮らしを懐かしんでいる。

 

因みに、お母ちゃんも貧乏学生世帯ではあったけれど、海外暮らしを懐かしむことはよくある。

 

日本の夏の暑さと花粉症は大の苦手だ。そして、冬の寒さが流れこんでくる家の造りも嫌いだ。

 

ただ、子供をもって母親になってみて、彼女たちの話を聞いてみると、少し見え方が変わってくる。

 

彼女たちが戻りたいといっているのは、駐在員時代の企業や政府から手当てが出ている「生活水準の高い暮らし」を指している気がする。

 

日本の2~3倍は面積のある住まい、運転手付きの外出、ホテルのようなリネン交換サービスやクリーニングサービス、インターナショナルスクールの教育補助手当などなど。

 

快適で楽な暮らしを望むのは人間として当然のことで、子育て中の今ならなおのこと、お金で解決したいことが山ほどあるのは大いに同意するけれど、小心なお母ちゃんは、人間関係にひびが入るのを恐れて(笑)彼女たちに

 

「現地の人たちと同じ平均収入になっても○○に戻りたい?」

 

とは、ついぞ聞けていない(;^ω^)

 

先進国への駐在であろうと、発展途上国の駐在であろうと、その地域の富裕層に入って暮らせるのなら、戻りたいだろうなと思う。

 

でも、本当に(文字通り)移民となって、企業の守りから離れて、日本から出たいのかな?

 

心の中で考えてみるものの、意地悪な質問の様な気がして誰にも聞けていない。

 

そしてそれをそのまま自分にも向けてみる。

 

現状の不満をあげつらって、日本の悪いところにだけ、目を向けて窮屈な思いをしているけれど、本当にお母ちゃんにその覚悟がある?子供と一緒に異国の地に移る覚悟がある?

 

誤解のないように言っておくが、その駐在員妻たちはお母ちゃんの大切なお友達である。彼女たちは日本を外から見る視点がもう備わっているので、話していてつい狭くなりがちな自分の視野に気づかせてくれる。

 

毎日の生活に追われる子育ての日々だけれど、海外経験者との会話は、日本の教育の枠の中でだけ成功者になればいいわけではないことを思い出させてくれる。

 

むしろ、どこの国に引っ越しても、言語や教育システムや、社会における価値観や、遊び友達が変わろうとも、やっていける「社交力」や「自ら学ぶ力」を子供のうちにしっかり育ててあげたいなと思う。

 

そのために、今、お母ちゃんが出来る環境づくりって何だろう?

 

年が改まり、下の子の卒園が迫ってきて、お母ちゃんの子育てもステージが変わる予感がぷんぷんしている。